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【経済Q&A】

「親子上場」問題浮き彫り

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 ヤフーと、同社が株式の45%(議決権ベース)を握る連結子会社アスクルの対立をめぐり、かねて指摘されてきた「親子上場」の問題点が浮き彫りになりました。何が起きているのでしょう。 (吉田通夫)

 Q 親子上場とは何ですか。

 A 親会社と子会社がともに証券取引所に株式を上場して売買できるようにし、個人など一般の投資家からも資金を集めることです。ヤフーもアスクルも、ともに東証一部に上場していますが、資本関係は「親子」の関係です。アスクルの過半数近い株式を所有するヤフーが「親」、アスクルは「子」です。しかし一般に、親会社は支配的な立場を背景に子会社に言うことを聞かせられるので、子会社の一般株主は不利益を被る可能性があります。このため親子上場は投資家から不透明として嫌われ、欧米ではほとんど例がありません。

 Q ヤフー、アスクルの場合は何が問題になっているのですか。

 A ヤフーは、アスクルのインターネット通販事業「LOHACO(ロハコ)」を譲り渡すよう検討を求めました。ヤフーにとってはグループの利益が増えて同社の株主も喜ぶかもしれません。しかしアスクルにとっては、成長の芽を摘まれてヤフー以外の一般株主が損をする可能性があり、反対しています。

 Q ヤフーはどうするつもりでしょう。

 A ロハコの事業譲渡についてはいったん矛を収めた格好ですが、アスクルの岩田彰一郎社長の手腕を疑問視して退陣を求めました。八月の株主総会を前に、すでに岩田氏の取締役再任に反対する議決権を行使しました。二位の大株主である文具製造プラスも賛同しており、岩田氏の解任は避けられない情勢です。

 Q アスクルの対応は。

 A 「支配株主としての立場を利用した圧力で、資本の論理がまかり通っていいのか」(戸田一雄社外取締役)と猛反発しています。しかし、資金調達という「資本の論理」を優先し、問題点が指摘されてきた親子上場を続けてきた責任はアスクルにもあります。問題が起きた時だけ被害者のように振る舞うのは、都合が良すぎるという指摘もあります。

 

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