東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 経済Q&A > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済Q&A】

米中摩擦 世界的な減速懸念 景気後退予兆 リーマン前も

写真

 米国の債券市場で十四日、「景気後退の予兆」とされる「長短金利逆転(逆イールド)」現象が起きました。十年物国債の利回りが一時、二年債利回りを下回ったもので、リーマン・ショック前の二○○七年以来、十二年ぶりのことです。なぜ起きたのか、今後景気は悪くなるのでしょうか。 (森本智之)

 Q 逆イールドって?

 A 普通、お金を返すまでの期間が長い方が貸し倒れのリスクが高まるので、一般的に金利は長期ほど高くなります。逆イールドは期間が長い国債の金利が短めの国債の金利よりも低くなる現象のことです。

 Q なぜ起きたの?

 A 長期金利は、市場が将来の景気をどうみているかを反映します。悪くなると予測すれば下がり、良くなると考えると上がります。今回は、直前に発表されたドイツの四〜六月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長となったことが直接の引き金とみられます。米中貿易摩擦による世界経済への悪影響が心配される中で、実際に悪い経済指標が出てきたので、景気の先行きを悲観する人が増え、十年物国債の利回りがグッと下がり、二年物国債を下回ったようです。

 Q それでどうして景気が悪くなるの?

 A リーマン・ショック時を含め、米国では過去三十年に三回、逆イールドが起き、いずれもその一〜二年後に景気が悪くなりました。

 特に長期金利の指標とされる十年債利回りが二年債を下回ると、しばらく後に景気後退に陥るとされます。この経験則から、投資家心理が悪化して短期的には株価の下落などが引き起こされます。ただ、それが本格的な景気悪化につながるのか、はっきりした仕組みは分かってません。

 金融機関は短期金利で資金を調達し、金利を上乗せして貸し出したり、資産を運用したりしてもうけます。長短金利が逆転すると、この利ざやが取れなくなり、金融機関が貸し出しを渋って景気が悪化すると一般的には説明されています。

 Q 今後の見通しは?

 A ツイート一つで政策を一変するトランプ大統領の下、先行きはきわめて不透明です。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「米国は雇用が堅調で個人消費の衰えもない。ただトランプ氏次第で景気後退リスクも軽視できない」とみています。

 

この記事を印刷する

PR情報