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【経済】

スルガ不正 人ごとでない マイナス金利、地銀に逆風

 高い収益性を誇り、かつて金融庁から「地方銀行の優等生」と称されたスルガ銀行(静岡県沼津市)で、組織的な不正がはびこっていた。今月7日に公表された第三者委員会の調査では、銀行として最も大切な「信頼」を置き去りにし、不正をいとわず収益のみを追い求める実態があらわになった。不正の背景には、スルガ固有の事情にとどまらず、地銀全体が抱える問題が見え隠れする。

 「うちでも他行でも同様の問題が起きる可能性はあると思う」

 全国地方銀行協会の柴戸隆成(しばとたかしげ)会長(福岡銀行頭取)は今月12日の記者会見で、スルガ銀行の不動産の不正融資問題に触れ、率直な思いを打ち明けた。

 地銀は今、「低金利」と「過当競争」に苦しんでいる。日銀の大規模な金融緩和とマイナス金利政策による低金利の環境下で、貸出金利から預金金利を差し引いた利ざやが稼げなくなったからだ。

 メガバンクなら海外でも稼げるが、地域に根差した地銀はそうはいかない。少しでも収益を上げようと、各行は企業融資や住宅ローンなどの金利を引き下げ、薄利で融資先を獲得する消耗戦を繰り広げている。東京証券取引所などに上場する地方銀行80社(持ち株会社を含む)の2018年4〜6月期決算をみると、7割超が減益か赤字だ。

 厳しい環境の中、不動産融資は地銀にとって高収益が見込める数少ない分野だった。収益改善への重圧は程度の差はあれ、共通する。東日本銀行(東京)では融資の際、根拠不明な手数料を顧客から取る不正がはびこっていた。不正の「甘い誘惑」は常に存在する。

 不動産会社と裏でつながり、本来は審査が通らない人にまで高金利で融資し、高額物件を買わせていたスルガ。暴走はなぜ起きたのか。3回にわたって報告する。 (岸本拓也)

 

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