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【経済】

TPP以上の譲歩も 新貿易協議 米、選挙控え強硬

日米貿易協議の先行きに不安を募らせる畜産農家の長谷川良光さん=栃木県足利市で

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 日本が米国と、関税分野を念頭に置いた二国間協議を始める検討に入った。中間選挙を控え、成果をみせたいと焦るトランプ大統領に配慮した格好だ。二国間協議では環太平洋連携協定(TPP)など多国間協議と異なり、国の力関係がもろに出かねないだけに、強硬策をちらつかせて圧力をかけるトランプ政権を相手に、農業や自動車で、一方的な要求をのまされるリスクがある。 (矢野修平)

 「TPPで合意した以上の深掘りの譲歩は、受け入れられない」。栃木県足利市で肉用牛を肥育する長谷川良光さん(60)は、日米協議の先行きを警戒する。米国産牛肉の関税が大きく下がるほど輸入価格が下がり、つられて国産の価格も低下しかねないからだ。

 閣僚級の貿易協議を担当するライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は初会合前の七月末、「牛肉の貿易障壁が問題だ」と指摘。日本の輸入牛肉市場で競合するオーストラリアが参加するTPPは、牛肉に課す38・5%の関税が発効から十六年で9%まで下がる。離脱した米国は関税が下がらず不利となるだけに、日本との自由貿易協定(FTA)を求める米国農家の声は強い。新たな二国間協議で米国はオーストラリアより有利な条件を求め、TPP以上の引き下げを迫ってくる可能性がある。 

 二国間協議については政府関係者は「一対十一で米国に対抗できたTPPと違い、二国間では厳しく攻められる」ともともと警戒していた。

 だが、「米国に仕事を取り戻す」として、中間選挙を前に、結果を出そうと焦るトランプ大統領は、中国からの輸入品の半分に追加関税を導入するなど圧力を強める。

 自動車への追加関税も検討しているだけに、「もはや先送りは通用しない」(日本政府の交渉筋)と、協議に応じざるを得ないとの判断に傾いた。

 自動車分野でも厳しい交渉が予想される。安倍晋三首相はトランプ氏との会談で追加関税から日本を除外するよう求める考えだ。

 しかし、トランプ氏は中間選挙や二年後の大統領選挙のカギを握る自動車産業のある中西部各州の票を特に重視する。数量規制による対米輸出の削減や、米国での工場建設など目に見える結果を求めて迫ってくる懸念がある。

 

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