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【経済】

東証一時 バブル崩壊後最高値 でも会社員の小遣いは90年の半分

2万4000円台となった日経平均株価の終値を示す電光ボード=28日午後、東京・八重洲で

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 二十八日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は、取引時間中、バブル経済崩壊後の最高値を更新した。約二十六年十カ月ぶりの水準になるが、経済環境は一九九一年当時と大きく異なり、消費者の財布のひもは固い。既にデフレの入り口に立ちながらもバブルの熱狂を引きずっていた九一年と何が違うのか。 (木村留美)

 「みんな消費に慎重で食品であっても高い物は買わない。株価は上がっているけれど、異常だったバブルの時と雰囲気は違う」。東京・八重洲で株価ボードを見ていた個人投資家の男性(74)は株高に顔をほころばせながらも空気の違いを感じていた。

 九一年とはどんな時代だったか。株価こそ八九年につけた史上最高値(三万八九一五円)から四割ほど下落していたが、バブル景気の余韻がまだまだ残っていた時期。百貨店業界全体の売上高は九一年にピークをつけた。バブルの象徴のように思われがちなディスコ「ジュリアナ東京」がオープンしたのも実際には崩壊後のこの年。政治では海部内閣が退陣し、宮沢政権へとバトンタッチした。

 その後の長いデフレを経て、株価は当時の水準に戻ったが、戻らないのは消費者の懐事情だ。「サラリーマンお小遣い調査」を実施している新生銀行によると男性会社員のお小遣いは二〇一八年は月額平均で三万九千八百三十六円。九〇年の最高値七万七千七百二十五円から半分ほどに目減りしたままだ。「原資」となる給料も国税庁の民間給与実態統計調査によると、給与所得者の年間の平均給与は九一年は四百四十六万六千円だったが、直近の二〇一六年は四百二十一万六千円にとどまる。

 ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏は「子育て世帯の収入が減り続ける中、社会保険料が増えていて自由に使えるお金はさらに減少している」と指摘。九一年当時と比べ「ネットの普及などで、お金をかけなくても『いい生活』ができるようになっている。消費者は無駄遣いをせず支出を抑え、できるだけ貯蓄に回したいという意識が高まっている」と話し、同じ株価水準でも消費者の動向は様変わりしている。

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◆終値は2万4120円

 二十八日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は大幅に反発して一時二万四二八六円一〇銭まで上昇し、取引時間中のバブル崩壊後の最高値を更新して一九九一年十一月以来約二十六年十カ月ぶりの高値を付けた。終値は前日比三二三円三〇銭高の二万四一二〇円〇四銭で、約八カ月ぶりの高い水準。米長期金利の上昇傾向を受け、外国為替市場で円相場が一時一ドル=一一三円台後半に下落し、企業の業績拡大期待が広がった。

 東証株価指数(TOPIX)は一七・一四ポイント高の一八一七・二五。出来高は約十五億五千七百万株。

 円安ドル高の進行は企業の輸出採算の改善につながり、市場では「二〇一八年九月中間決算が想定を上回る好調な結果になるとみて、投資家の買いが勢いづいた」(大手証券)との声が聞かれた。

 二十七日の米国市場でダウ工業株三十種平均などが上昇したほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が同日の講演で、好調な米景気が当面続くとの見方を示したことも買い安心感につながった。

 

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