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【経済】

米、カナダ 貿易協定合意 「メキシコと3カ国」維持

 【ワシントン=白石亘】トランプ米政権は三十日、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でカナダと合意に達した。すでに合意済みのメキシコと併せて、北米三カ国の自由貿易圏の枠組みが維持されることになる。北米に生産拠点を持つ日本の自動車メーカーは、三カ国の枠組み崩壊という最悪の事態は免れた形だが、サプライチェーン(部品の供給網)の見直しなど影響は避けられそうにない。

 トランプ大統領にとって自国に有利な形でNAFTAを見直すのは大きな選挙公約で、約一カ月後に迫る中間選挙で有権者にアピールしたい考え。またNAFTAの名称は米国、メキシコ、カナダの頭文字を取り「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に変更する。トランプ大統領がNAFTAという名前はイメージが悪いと考えているためだ。

 米国とメキシコは八月末、二国間で協定見直しに合意した。ただカナダと米国の交渉は難航し、トランプ大統領はカナダ抜きで協定発効に向けた手続きを進めることも辞さない意向を表明。米国が期限とした九月末までにカナダとの交渉がまとまるかが焦点だった。

 週末を返上して協議を続けた結果、カナダは米国が要求する乳製品の市場開放を認めることで譲歩した。ロイター通信によると、カナダは米国から輸入車に25%の追加関税を課さない保証を得る代わりに米国へ輸出する自動車の台数を制限する数量規制を受け入れた。管理貿易につながりかねず、世界貿易機関(WTO)が禁じる措置だが、トランプ政権は米国の製造業を守るため、メキシコにも数量規制を認めさせている。

 一九九四年に発効したNAFTAは、トランプ大統領はNAFTAのせいで米国は貿易赤字が増え、製造業の仕事が外国に奪われたとして「史上最悪の貿易協定」と批判。昨年夏から協定の再交渉を続けていた。

 米国はメキシコの新政権が発足する前の十一月三十日までに新しい協定への署名を終えたい考え。米国内法の定めで、署名の二カ月前に当たる九月三十日までに新協定に関する文書を公表する必要があり、事実上の交渉期限になっていた。

<北米自由貿易協定(NAFTA)> 米国、カナダ、メキシコでつくる通商協定。NAFTAは「North American Free Trade Agreement」の略。1989年発効の米カナダ自由貿易協定を土台に94年に発効し、一部を除き域内の関税を段階的に撤廃。域内総生産(GDP)は約21兆ドル(約2390兆円)と世界の3割近くを占める。各国メーカーがメキシコに工場を建設し、米国向けの輸出拠点とした。トランプ米大統領はメキシコに雇用が奪われたとして協定見直しを要求し、2017年8月に再交渉が始まった。 (共同)

◆NAFTA再交渉の経過

1994年1月 NAFTA発効

2017・1・20 トランプ米大統領が就任直後に公表した基本政策でNAFTA再交渉を正式表明

     5・18 米通商代表部(USTR)が再交渉開始を議会に通知

     8・16 再交渉開始

2018・3・23 米国が鉄鋼とアルミニウムの輸入関税発動。発動対象からカナダ、メキシコを除外

     6・1 米がカナダ、メキシコにも鉄鋼、アルミの輸入関税を適用

     8・27 米国とメキシコが2カ国間協議で基本合意したと発表

     9・30 米国とカナダが再交渉で合意 (共同)

 

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