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【経済】

災害、貿易摩擦を懸念 日銀短観 3期連続悪化

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 日銀が一日発表した九月の企業短期経済観測調査(短観)で、代表的な指標である大企業製造業の景況感が三・四半期(九カ月)連続で悪化した。非製造業を含む全産業で見ても二期連続で悪化しており、「実感なき拡大」を続けてきた日本経済に停滞感が漂ってきた。

 短観では、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いた業況判断指数(DI)が、大企業製造業で二ポイント下落のプラス一九となった。三期連続の悪化は、リーマン・ショック前後の二〇〇七年十二月調査から〇九年三月まで六期連続で悪化して以来だ。

 円安を背景に企業収益は好調を維持している。しかし、原油高による原材料高や人手不足に加え、相次ぐ自然災害や米国との貿易摩擦への警戒感が企業心理を圧迫している。

 特に輸出主導の日本経済にとって、米トランプ政権の保護主義政策が最大のリスクだ。日本車を巡り、トランプ政権が検討していた追加関税は、日米が新たな通商協議入りすることで、ひとまず回避された。

 だが、「はっきりしないことが多く不安は大きい」と大手自動車メーカー幹部は漏らす。トランプ政権に翻弄(ほんろう)される状況は変わっていない。三カ月後の景気の見方を示す「先行きDI」をみると、業種別では「自動車」や「生産用機械」などが悪化を見込む。

 第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「現時点で貿易戦争の直接の影響は出ていないが、今後、追加関税が発動されれば桁違いのインパクトになる」と指摘する。

 大企業非製造業では、二ポイント下落のプラス二二と八期ぶりに悪化。七月に発生した西日本豪雨や、九月の台風21号、北海道の地震などの自然災害で、観光客の減少や物流網に影響し、「宿泊・飲食サービス」や「運輸」などで下落した。

 中小企業では国内の人手不足に悩まされている。人手が「過剰」な割合から「不足」を引いた雇用人員判断DIは、中小の全産業で三ポイント悪化のマイナス三七と、不足感が増している。(岸本拓也)

 

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