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【経済】

通年採用、注目度アップ 海外卒業者が利用しやすく

楽天の入社式で百野副社長(右)の歓迎あいさつを聞く秋入社の新入社員=1日午前、東京都世田谷区で

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 通年で採用活動を行っている楽天などは一日、秋入社の新入社員を対象にした入社式を開いた。経団連が就職活動の時期を示した「就活ルール」を廃止する方針を示したことで、楽天などが採っている「通年採用」に注目が集まる。日本の就職活動はどう変わるのか。 (木村留美)

 ■英語でスピーチ

 一日、世田谷区の楽天で「秋入社」の社員を対象にした入社式が開かれた。外国人二人を含む二十九人の新入社員を前に百野研太郎副社長は「楽天で働く25%は外国人で多様な人材に富んだ企業。新たにあなたたちを迎えられうれしく思う」などと英語でスピーチした。楽天以外にもソフトバンクといった「通年採用」を取り入れている企業がこの日、一斉に秋の入社式を開いた。

 オーストラリアの大学を七月に卒業し楽天に入社した花沢仁志さん(23)は「通年採用で秋に入社できることは海外の大学を卒業した学生にとって利用しやすい」と話す。

 ■一年生に内定も

 経団連はこれまで会社説明会が三月、正式内定は十月の解禁としてきたが、二〇二一年から廃止する意向を示している。

 廃止後は経団連会員の大企業でも年間を通して新入社員を採用し春以外にも入社式を行う企業が増えそうだ。三菱ケミカルは「現行のルールが終了した後は通年採用を検討している」と明かす。

 さらに、学年にこだわらず内定を出す企業が増える可能性も高い。

 すでにユニクロを展開するファーストリテイリングでは「もっとも早い場合、大学一年生の学生に内定を出すこともある」(広報担当者)という。メルカリでも二〇二二年卒の学生に既に内定を出しているといい、採用担当者は「優秀ならば高校生に内定を出すことも制度としては可能」と話す。

 ■新卒一括変化か

 いまのところ、秋採用をしている企業でも、入社式後に、ビジネスマナーなどの社内研修を経て、それぞれの部署に配属される。楽天の新入社員も三カ月の新人研修が待ち構える。「通年採用」「秋入社」と言っても社員を一斉に採用する「新卒一括採用」は大きく変化はしていない。

 だが、現行ルールの終了は新卒一括採用が変わるきっかけになる可能性も。

 メルカリの場合、社員採用は専門能力や経験のある人を中途採用する方式が中心で社員のうち新卒で採用した社員は一割にすぎない。今後は新卒についても中途採用と同様に、具体的な配属先の部署を想定した採用を検討している。入社も必要に応じ随時受け入れていく形をとるため、「一括」した入社式や研修はなくなる。

 新卒、中途にかかわらず社員を随時採用するこの形が浸透すれば、新卒者を一斉採用し就職後に配属先を決めて、さまざまな部署を経験させる「日本型雇用」自体が崩壊。採用や社員教育のあり方は大きく変わることになる。

<就活ルール> 経団連が指針で現在の大学3年生が該当する20年卒業までは会社説明会が3月、面接などの選考活動が6月、正式内定は10月の解禁としている。外資系などルールを守っていない企業が目立つため、経団連は21年から廃止する意向。21年については混乱を避けるため、日程を維持することも検討されている。

 

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