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【経済】

トヨタ「投資見直しも」 危機感表明 英にEU離脱合意促す

 【パリ=阿部伸哉】英国の欧州連合(EU)離脱を巡ってトヨタ自動車の欧州幹部が一日、離脱の条件次第で対英投資を見直すと表明し、英国に進出する日系企業の危機感が一気に表面化した。自動車産業では英国内の生産台数の約半分をトヨタ、日産自動車、ホンダの日系三社で支えている。トヨタの表明で、交渉妥結を求める英政府への圧力は一層強まりそうだ。

 「英国が合意なくEUを離脱すれば、生産が一時的に停止するのは避けられない」。パリ国際自動車ショー開幕を前に一日、欧州トヨタのルロワ会長(トヨタ副社長)やファンゼイル社長は本紙などの取材に答えた。英国の生産拠点であるバーナストン工場の一日の生産台数は約六百台。「一週間も止まったら持ちこたえられない」と強調した。

 トヨタなど日系メーカーでは、これまで英国のEU離脱については慎重な発言が目立ったが、離脱が来年三月に迫りながら合意の見通しが立たず、各社の焦りは強まっている。部品の多くは加工の過程でEUとやりとりしていることが多く、EUが通関手続きや関税を復活したら、部品の供給が滞り大混乱に陥る。

 既に自動車各社は在庫を極力持たない日本由来の「かんばん方式」をあきらめ、在庫スペース確保のための土地探しも始めた。こうした状況に、九月中旬には英自動車最大手のジャガー・ランドローバーのスペス最高経営責任者(CEO)が「東欧の方が車を造りやすい」と海外移転を示唆。トヨタも「英国生産の競争力がどの程度維持できるか研究する」とし長期的には撤退も排除しない姿勢だ。

 だがEUとの経済的つながりを維持しようとすれば、移民制限をあきらめるなど大幅な譲歩が必要で、英政府は厳しい状況に立たされる。

 

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