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【経済】

太陽光制御 きょう7時間 九電、事業者に停止指示

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 九州電力は十二日、電力のつくり過ぎによる需給バランスの崩れを防ぎ、安定供給を維持するため、十三日に一部の太陽光事業者に一時的な発電停止を指示する出力制御を実施すると発表した。午前九時〜午後四時の七時間で、想定規模は熊本を除く九州六県の計四十三万キロワット。再生可能エネルギーの拡大を目的にした二〇一二年の固定価格買い取り制度(FIT)導入以降、離島以外での本格的な出力制御は全国初となる。

 九電によると十三日の気象条件や電力需要などを精査した結果、出力制御を実施しなければ、日中の時間帯に需要量に対して供給が大幅に上回る事態が避けられないと判断した。十三日早朝に制御量や対象事業者を最終決定し通知する。天候次第では、制御量を減少させる可能性もある。

 最も余剰電力が発生する時間帯は正午から午後零時半ごろと想定。九電側で制御の操作ができる事業者分は、需給状況に応じて制御する時間を細かく決める。今回は、風力発電事業者は制御の対象外とした。

◆需要減る季節、電気余る 原発4基再稼働も要因

 九州で十三日、太陽光発電の一部の事業者を対象に出力制御が実施されます。九州は太陽光発電が盛んになってきているのに、なぜ水を差すようなことをするのでしょうか。 (伊藤弘喜)

 Q 出力制御とは何ですか。

 A 電気の発電量(供給)が、利用量(需要)を大幅に上回りそうな時、一部の発電所を止めて供給を減らすことです。需要と供給の量が大きく食い違うと、大規模停電が起きかねないからです。国のルールでは(1)火力(2)バイオマス(3)太陽光・風力(4)水力・原発・地熱−の順に出力制御することになっています。火力は既に制御を実施し、バイオマスは十三日に行います。

 Q なぜ、いま出力制御が必要なのですか。

 A 日照条件がよい九州では太陽光発電が増えているためです。今年八月末時点の導入量は八百七万キロワットで、全国の太陽光の二割強。月五万キロワットのペースで増え続けています。九電は太陽光で余った電気を揚水発電所に水をためるために使ったり、管轄外に送ったりして調整してきました。それでも需要が落ちる春や秋の休日には、電気が余る状況になってきました。電気が余るのは原発が四基、再稼働したことも大きいです。

 Q 原発は制御の順番が最後なのですね。

 A 経済産業省は、原発は出力を柔軟に調整することが技術的に難しい、と説明しています。しかし、フランスやドイツでは原発の出力を調整しています。環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長は「日本は国策として、原発をベースロード(基幹)電源と位置付けているからだ」と指摘しています。

 Q 制御のやり方は。

 A 対象の事業者には事前に通知し、送配電網への接続を切ります。停止するのは日中の数時間です。一般家庭で導入している太陽光発電は対象外です。

 Q 制御される事業者に補償はあるのですか。

 A 事業者は出力を制御された分、売れる電気が減ってしまいます。しかし、今回は九電は制御を実施するとしても短時間で済み、影響は限定的として補償はしません。

 Q 今後の見通しは。

 A 太陽光が増えれば、出力制御の頻度が上がることが予想されます。余った電気を他の大手電力管内でもっと使ってもらうなど、無駄にしないよう知恵を絞る必要があります。

 

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