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【経済】

「海賊版」会議、無期延期に 遮断法制化 報告見送り

 漫画などをインターネット上に無料で公開している海賊版サイトへの対策を検討する政府の有識者会議は十五日、中間報告のまとめを見送り、会議が無期延期となる異例の事態となった。違憲の疑いが指摘されるネット利用者への「接続遮断(ブロッキング)」の法制化で賛否の対立が解消しなかった。

 中間報告の原案は、ブロッキングの法制化について「委員の間で合意が得られていない」と説明し賛否両論を記載した。だが、国内の弁護士が海賊版サイト「漫画村」の運営者とみられる男性を特定したことを受け、明治大の丸橋透教授(情報法)が「違憲の疑いがあるブロッキングに頼らなくても止められる」と会議で指摘。「ほかに手段がないという議論の前提が崩れたのだから、議論をやり直すべきだ」と述べた。

 これに対して、後藤健郎コンテンツ海外流通促進機構代表理事らは「人物が特定されても海外の法令の関係でサイトを閉鎖できないケースもある」と法制化を求めて紛糾。中村伊知哉慶応大大学院教授らは賛否両論を併記した報告書をまとめようとしたが、ブロッキングに反対する森亮二弁護士らが「両論併記では政府が法制化を進める口実になる」と反対し見送られた。

 中村氏は会議後「座長として、今日の議論を反映して報告書案を直し、何らかの成果を示す文書はまとめたい」と語った。だが、公表するかどうかや、政府が法制化に向けた材料にするのかははっきりしない。

 ブロッキングはプロバイダー(インターネット接続事業者)が利用者の接続先を監視しなければならず、憲法で定めた通信の秘密などを侵害する恐れがある。政府とブロッキングを推進する委員は、差し迫った危険を防ぐためにほかの手段がない場合は違法行為をしても処罰されない「緊急避難」という規定が適用できるとして法制化を目指していた。 (吉田通夫)

 

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