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【経済】

消費税10%表明 高齢者、年金抑制の恐れ

 安倍晋三首相は十五日の臨時閣議で、消費税増税の目的は「全世代型社会保障制度」への転換と「財政健全化」の両立だと説明した。消費税増税の目的は政治状況によって変わる側面があり、今回は全世代型社会保障改革を打ち出した。だが、全世代という言葉と裏腹に、年金受給開始年齢の引き上げなど、高齢者へのしわ寄せが懸念される。財政健全化も進んでいない。

 消費税増税分の使い道は二〇一二年、与党の民主党と野党の自民、公明両党が合意した「社会保障と税の一体改革」で決定。少子高齢化で膨らむ社会保障費に充て、将来世代の負担を軽くするため国の借金返済も着実に進めるとした。

 10%への引き上げによる増収は、約五兆六千億円と見込まれる。もともとの使い道は、社会保障と借金返済が「一対四」とされた。しかし安倍首相は昨年十月の衆院選で、増税分の使途を変更し、教育無償化などに充てると表明。政策経費と借金返済の比率は「一対一」へと変わった。

 この使途変更と二度の増税延期により、財政健全化は足踏み。政策に必要な経費を税収で賄えているかを示す「基礎的財政収支」(プライマリーバランス)を黒字化する政府の目標は、二〇年度から二五年度へと変更されている。

 全世代型社会保障改革はこの延長線上にあり、教育無償化に、高齢者向けの社会保障などを組み合わせた内容だ。具体的には、増税分の使途変更と経済界の負担で二兆円規模の財源をつくり、幼児教育・保育の無償化などに充て、子育て世代への支援を充実させる。

 一方、高齢者向けには、企業に雇用継続を義務付ける年齢を現行の六十五歳から引き上げ、社会保障の「支え手」側に回ってもらう。首相は原則六十五歳の年金受給開始年齢について、七十歳超も選べる制度改革にも意欲を示す。財務省は支給開始年齢の一律引き上げを提案している。

 これらによって、高齢者の社会保障費を抑制する狙いがある。しかし、働きたくないお年寄りにとって負担感が増すのは否めない。 (渥美龍太、中根政人)

 

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