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【経済】

KYB免震、五輪会場も 企業・自治体 不正品か本格調査

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 油圧機器メーカーKYBによる免震・制振装置のデータ改ざん問題で、東京スカイツリー(東京都墨田区)や原発の関連施設で不正の可能性があり調査が必要な装置を使用していることが十七日、明らかになった。東京五輪・パラリンピックの競技会場や、大阪などの都道府県庁舎にも設置されていた。企業や自治体は使用装置の本格調査を始め、影響が拡大。KYBは納入先への連絡を急ぐとともに、交換や補償を求められた場合の検討に入った。 

 大阪府の松井一郎知事は記者団に「不良品だ。補償してもらう」と述べ、交換などを求める考えを示した。菅義偉官房長官は記者会見で「誠に遺憾だ」と批判し、国土交通省に対応を指示したことを明らかにした。

 KYBは同日、対象物件のうち所有者の了解が得られた建物の具体名を十九日午後に公表すると発表した。

 国交省はKYBに早急な状況報告を求めている。併せて免震装置メーカー八十八社にデータ改ざんの有無を調べて報告書を提出するよう求めた。提出期限は十二月二十一日。

 国交省は、不正な装置が使われた建物の強度を第三者機関が検証した結果、震度7程度の地震でも倒壊の恐れはないとしているが、欠陥建築に詳しいNPO法人建築Gメンの会の大川照夫理事長は「予期せぬ揺れ方をした際に、トラブルが生じる可能性は否定できない」と指摘した。

 問題の装置は油の粘性を利用して建物の揺れを少なくするオイルダンパーで、KYBと子会社が基準の範囲内に収まるようデータを改ざんしていた。KYBは不正の疑いを含めて全国の九百八十六件の建物に装置を納入している。

 自治体や企業が明らかにした調査が必要なダンパーの使用状況によると、浜岡原発(静岡県御前崎市)や敦賀原発(福井県敦賀市)で非常用施設で使われていることが判明。五輪施設や東邦ガスの防災拠点ビル(名古屋市)、通天閣(大阪市)、シャープ亀山工場(三重県亀山市)などにも設置されていた。

 KYBは不正な製品は取り換える方針を表明している。交換工事の際に一時的に建物が利用できなくなる可能性があり、納入先から補償などの要望があれば対応を話し合う。負担がかさめば業績の悪化が避けられない。

 KYBの不正には、少なくとも工場の検査担当者八人が関与していたことも分かった。関与した社員は上層部に拡大する可能性もある。

 

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