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【経済】

還元セール「OK」 事業者「詳細早く」 前回増税時、厳格規制→今回は柔軟対応

【5→8%時】消費税増税の反動減対策として発売された福袋。「還元セール」の表示はない=2014年4月、東京都豊島区で

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 消費税増税分を小売価格から割引する「還元セール」を巡り、政府の方針が二転三転している。二〇一四年四月に税率を5%から8%へ引き上げた際は事実上禁じたが、想定を超えて個人消費が冷え込んだため、来年十月の10%への引き上げの際は認める方針だ。ただ、事業者の理解は広がっておらず、周知が不十分なら混乱を招く恐れもある。 (渥美龍太、須藤恵里)

 「還元セールがOKなら、消費へのショックを和らげられる」。大手百貨店の担当者は、政府の方針を歓迎した。一方で、詳しい内容が分からないとして「現場が混乱したり、一部の会社が『やったもん勝ち』になったりしないよう、ルールを早めにアナウンスしてほしい」と注文も付けた。

 「還元セール」を巡る政府の方針は一貫していない。一九九七年に消費税率が3%から5%へ上がった際は一切規制せず、多くの小売店が実施。消費者は恩恵を受けたが、商品を納める下請け業者が増税分の価格への上乗せを拒否される「買いたたき」も横行した。

【3→5%時】消費税還元セールでにぎわう東京・品川のスーパー=1998年11月、東京都品川区で

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 この反省から、前回の増税時は消費税の価格転嫁を徹底させるための法律を制定し、「消費税率上昇分値引き」などとうたった広告を禁止した。増税後のセール自体は認めていたものの、消費者庁がセールの表示の仕方を厳しく指導したこともあって、実施を見合わせる事業者が相次いだ。その結果、増税に合わせた一律値上げにつながり、消費の反動減を招いたとされる。

 安倍晋三首相は十五日の臨時閣議で「消費税引き上げ前後に柔軟に価格付けできるよう、ガイドラインを整備する」と強調。これを受け、政府は「消費税」の文言を使わない限り、増税後に「還元セール」を実施しても問題ないという見解を広報していく考えだ。

 ただ、規制を緩めすぎれば「買いたたき」が起きる可能性は否定できない。中小企業が多い日本商工会議所は先月、「還元セール」への反対を表明している。

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