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【経済】

特急「あずさ」「かいじ」 それって値上げ? JR、自由席と回数券 来春廃止

「あずさ」「かいじ」に導入される新型車両(E353系)=JR東日本提供

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 JR東日本が中央線の特急「あずさ」「かいじ」の自由席を来春に廃止すると発表し利用者から戸惑いの声が出ている。全席を指定席とするため、現行の自由席と比べた特急料金はほとんどの区間で実質的に値上げとなるからだ。お得な料金で特急自由席に乗れる回数券も同時に廃止される。ネット上では「気軽に特急に乗れなくなる」など、否定的な意見が目立つ。 (瀬戸勝之)

 あずさは主に新宿−松本間、かいじは主に新宿−甲府間を結び、通勤客の利用も多い。

 新しい新宿−立川、八王子の特急料金は七百五十円。現行の指定席より二百八十円安いが、自由席よりは二百四十円高い。新宿−甲府間は一千五百五十円。現行の指定席と比べれば三百十円安いが、自由席よりは二百十円高くなる。

 新宿−立川、八王子は、通勤や都心からの帰宅時に自由席の特急を利用する人が多く、JR東が先月末に自由席の廃止を発表すると、ネット上には「自由席に乗る選択肢が消え、実質的な値上げだ」などの書き込みが相次いだ。

 新宿から自宅のある八王子市の間を通勤でよく利用するという男性(38)は本紙の取材に「帰宅時間帯は中央線は混雑がひどく疲れるので、新宿から『あずさ』の自由席に乗ることが多い。短距離の利用者にもっと配慮した料金体系にしてほしかった」と憤る。

 特に特急回数券の廃止には「痛い」と残念がる人が多い。自由席特急券の「中央線料金回数券」(四枚つづり)を使えば現在、新宿−立川、八王子は一回当たり四百八十円で乗車可能。だが来春以降は、この回数券は廃止され、これより約56%(二百七十円)高い七百五十円を払わないと、特急に乗れない計算だ。

 乗車券と指定席にも乗れる特急券がセットになった「あずさ回数券」(六枚つづり)もなくなる。現在新宿−甲府では同回数券を使えば一回当たり二千八百八十円で乗車できるところを、新料金は三千八百二十円で、九百四十円(約33%)も高くなる。

 JR東は「乗車日の十三日前までにネット購入する新たな割引制度を使えば新宿−甲府の運賃と特急料金の合計は二千六百六十円で済み、あずさ回数券より安い」と強調。だが「クレジットカードを持たない人やネット環境がない高齢者らには負担増」「事前に乗車日時を決められない場合もある」といった声も多い。

 特急料金は新型車両(E353系)への全車切り替えに伴う変更だ。運賃の変更には政府の認可が必要だが、特急料金は届け出だけででき、JR東は新車両の導入に伴って常磐線でも二〇一五年に特急の自由席を廃止している。

 広報担当者は「自由席廃止で早めにホームに来る利用者が減って混雑を緩和できる上、車内の検札業務も減らせる。中間駅からでも座席を確保しやすい」と全席指定の利点を強調する。

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