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【経済】

APEC 首脳宣言断念 発足後初 米中、貿易で対立

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 【ポートモレスビー=共同】パプアニューギニアで開かれた日米中など二十一カ国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が十八日午後、閉幕した。会議では米中の首脳が通商政策を巡り批判合戦を繰り広げて最後まで意見の隔たりが埋まらず、首脳宣言の採択を断念した。採択断念は一九九三年のAPEC首脳会議の発足後、初めて。

 APECは貿易や投資の自由化、経済協力を通じて参加国の経済発展を促す理念があるが、世界的な保護主義の動きに対抗するという本来の議論を主導できなかった。今月末にアルゼンチンで予定される米中首脳会談を前に両国の対立激化が浮き彫りとなった。

 首脳会議は十八日、自由貿易の推進や保護主義などをテーマに討議した。米国のペンス副大統領は中国が外資規制や行政審査を通じて進出企業に技術移転を強要する不適切な慣行や、市場をゆがめている国有企業への補助金を批判。関係者によると、米国は世界貿易機関(WTO)がこうした中国の行動を抑制できないとして「抜本的な改革が必要」とする内容を宣言に入れるよう求めた。

 中国もトランプ米政権の「自国第一主義」を問題視。新華社電によると、習近平国家主席は首脳会議で、米国を念頭に「保護主義と一国主義が台頭し、多角的貿易体制が打撃を受けている」と非難した。

 米中両国がそれぞれの主張を首脳宣言に盛り込むよう求め、折り合えなかった。代わりに議長声明を近く公表する方針だ。ペンス氏と習氏は会議前から互いの通商政策を巡って火花を散らしていた。

 安倍晋三首相は会議で、トランプ政権を念頭に保護主義的な政策の台頭に懸念を表明。中国の投資を受け入れた国が相次ぎ財政悪化に陥っている状況については、インフラ投資を受ける国に透明性や財務の健全性を求めた。APEC域内の貿易や投資の自由化を目指すアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現に向けて取り組む考えも示した。

 議長国パプアニューギニアのオニール首相は記者団に「全世界が米中関係を懸念している。両国が対話することを望む」と述べた。

<アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議> 太平洋を囲む21カ国・地域の首脳が年に1回、貿易自由化などを話し合う会議。例年は成果をまとめた首脳宣言を採択する。1993年に米シアトルで首脳会議が始まった。多くの首脳が集まることから外交上の貴重な機会で、会期中には2国間の会談も開かれる。今年の議長国はパプアニューギニア。 (共同)

 

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