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【経済】

オリンパスの内視鏡使用後 欧米190人、耐性菌感染

オリンパスの内視鏡「TJF−Q180V」=オリンパス米国法人のウェブサイトから

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 医療用光学機器の世界的メーカー、オリンパス(本社・東京)の十二指腸内視鏡による検査・治療後、欧米の患者百九十人以上が抗生物質の効きにくい薬剤耐性菌に感染していたことが分かった。内視鏡の洗浄、滅菌しにくい構造が原因の可能性がある。米医療機関への注意喚起は積極的に行わないよう社内メールで指示していたことも判明した。 

 死者も複数出ている。感染が直接の死因かどうかは不明だが、米国内では三十五人死亡の報道もある。遺族らは約五十件の損害賠償訴訟を起こした。

 共同通信が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が今春から医療機器全般の事故を世界規模で調査した。オリンパスの内視鏡以外にも、他のメーカーが開発、製造した心臓ペースメーカーの異常動作、子宮内避妊器具による臓器損傷など医療機器の不具合が世界で発生、米食品医薬品局(FDA)には米国内外合わせ過去十年に五百四十万件以上報告されていた。

 問題の内視鏡は、米民主党議員の報告書や訴訟資料などによると福島県会津若松市の工場で製造され二〇一〇年から欧米で販売された十二指腸内視鏡TJF−Q180Vで、一二〜一五年に米国、オランダ、フランス、ドイツの十七医療施設で百九十人以上が薬剤耐性菌に感染した。日本でこの内視鏡は販売されず感染は起きていない。欧米ではその後特殊な洗浄ブラシの提供や注意喚起で安全対策が取られた。

 欧州では内視鏡先端部が洗浄しにくいことが原因と早い段階で疑われ、オリンパスは当局の要請を受け一三年一月に注意喚起。米国の感染者約百四十人に対し、欧州は約五十人で喚起後の感染者は十数人にとどまった。

 米国では一二年十一月、東部ペンシルベニア州の病院で感染が確認されたが、オリンパスは他の医療関係者に報告しなかった。一三年一月に注意喚起について相談を受けた東京本社幹部が、米国法人あてに翌月「積極的に知らせる必要はない」としたメールが訴訟で証拠として提出された。一五年一月に感染が報道で表面化、FDAは速やかな報告を怠ったと同社を警告した。

 オリンパスは「訴訟に影響を与えるため、コメントは差し控える」とした。

<薬剤耐性菌> 遺伝子の変化により、抗生物質が効かなくなったり、効果が弱くなったりした細菌。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)などが知られる。人や動物への抗生物質の使い過ぎによって世界的に拡大しており、院内感染などの原因になると懸念されている。放置すれば2050年に年間1000万人が耐性菌によって死亡するとの予測もあり、世界保健機関や日本を含む世界各国が協力して対策に乗り出している。

 

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