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【経済】

あいち航空ミュージアム 開館1年、集客低空飛行

「YS11」(手前)などの機体を見学できる「あいち航空ミュージアム」=愛知県豊山町で

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 三十日に開館一周年を迎える「あいち航空ミュージアム」(愛知県豊山町)が集客に苦慮している。十月末時点の入館者数は四十三万人で、初年度目標の六十五万人達成は絶望的。学校などの団体利用が想定より少なく、相乗効果を期待したMRJ(三菱リージョナルジェット)の納入延期も響いたとみられる。十月からは割引サービスも始め、県の担当者は「二年目からは目標をクリアできるように」とPRに力を入れる。 (中崎裕、藤原啓嗣)

 ミュージアムは、開館当初の昨年十二月には六万人が訪れたが、二月以降は月三万人前後で推移。県は開館時、MRJが目の前の名古屋空港を離着陸する様子を見物する客も訪れると見込んでいたが、担当者は「納入が二〇二〇年に延期されたのが誤算の一つ」と明かす。

 期待していた学校行事での利用者は全体の四分の一ほどといい、担当者は「もう少し多いと考えていた。周辺の学校利用はそれなりにあるが、近隣県からなかなか来てもらえていない」と苦しげだ。

 十五キロほどしか離れていない岐阜県各務原市には、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館がある。中学生以下が無料であることもあり、今年三月のリニューアル以降約三十六万人が訪れた。最新鋭探査機「はやぶさ2」の実物大模型などが人気で、岐阜県の担当者は「県内の学校に加え、愛知県の尾張北部などからも来てもらっている」と話す。

 てこ入れを図ろうと、あいち航空ミュージアムは、十月から日本自動車連盟(JAF)カードの提示で入館料を百円割り引くサービスを始めた。来年二月には、警視庁が使用してきた大型ヘリコプターや、映画「永遠の0(ゼロ)」で使用された零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の実物大模型を展示に追加する。

 今月十五日には、中日本航空専門学校(岐阜県関市)の一年生七十二人が来館。空港で航空機を誘導するグランドハンドリングを目指す生徒たちは国産旅客機YS11の実機に見入った。

 参加した池田直樹さん(19)は「日本の航空機産業の歴史を感じられる。窓からは名古屋空港の様子もよく見えて勉強になる」。県の担当者は「若手の人材育成につながるようなソフトを充実させ、来場者増につなげたい」と意気込む。

 航空宇宙産業が集積する愛知、岐阜県。両施設は共通入館券を導入するなど連携しており、岐阜県の担当者も「愛知の施設とは内容が異なり、お互いに盛り上げていける」と切磋琢磨(せっさたくま)しながらの集客に期待する。

<あいち航空ミュージアム> YS11やゼロ戦など6機の実物を展示し、パイロットの疑似体験などができる施設として、愛知県が2015年度から35億円かけて整備した。2階建てで展望デッキからは名古屋空港に離着陸する航空機を見物できる。入場料は大人1000円、高校・大学生800円、小中学生500円(団体割引あり)。火曜休館。

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