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【経済】

「便乗予算」常とう手段 財政健全化、見込めず

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 来年十月の消費税率10%への引き上げを巡り、政府が二十六日公表した対策には、景気の下支えのためとは言い切れないメニューが並ぶ。ある政策を達成するという目的に乗じ無関係な予算を計上するのは、東日本大震災の復興などでもみられた「常とう手段」だが、財政の支出は膨らむばかりで増税の意義すら問われかねない。 (生島章弘)

 政府が未来投資会議などの合同会議に示した対策で目を引くのが、中小・小規模店に限定したキャッシュレス決済時のポイント還元や、マイナンバーカード保有者への買い物で使える「自治体ポイント」加算など、事実上の減税や現金支給の多さだ。いずれも増税前後に起こる消費の駆け込みと反動減を抑えたり、低所得者らの負担軽減を図ったりする効果を見込むものの、本来の目的は別にあるとみられ「便乗予算」の色が濃い。

 ポイント還元は東京五輪・パラリンピックが開幕する二〇二〇年夏まで、クレジットカードなどを利用した買い物のたびに消費税率5%分付与することを軸に調整を進めている。増税後の一定期間、実質的に減税することで、消費の駆け込みを防ぐという説明だ。だが政府は昨年、特に中小・小規模事業者で遅れが目立つキャッシュレス決済の比率を十年かけて四割に高める計画を立てており、増税対策は「後付け」の印象を拭えない。

 自治体ポイントの加算も「消費の活性化を図る」とうたってはいるが、交付率が人口の一割程度にとどまるマイナンバーカードの普及に主眼があることは明らかだ。キャッシュレス決済時の還元と同じく、自治体ポイントの加算も国費で賄う方向で、本来なら財政健全化に充てられる消費税増収分は当面、大きく削られる公算が大きそうだ。

 

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