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【経済】

勝ち抜きへ集結 日産・ルノー、主導権争いは激化

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 日産自動車とルノー、三菱自動車が二十九日、三社連合の運営を三社トップによる合議制にあらためる一方で提携関係の維持を確認したのは、IT企業など異業種も交え激化する業界の競争を勝ち抜くには、経営資源や技術力の集結が不可欠と判断したためだ。ただ三社連合の要だったカルロス・ゴーン容疑者の逮捕で、日産とルノーの主導権争いが激しくなるのは必至だ。 (岸本拓也)

 「米グーグルがライバルになるような時代に、今更提携関係を崩せるはずがない」。会談後、日産関係者はこう強調した。

 自動車業界では、グーグルなども参戦し、電気自動車(EV)や自動運転といった新技術の開発競争が激しさを増している。膨大な開発費用を一社だけで負担するのは困難で自動車各社は提携を拡大。トヨタ自動車はEV開発でマツダやスズキと提携するなど、コストを分担する。ホンダも自動運転の技術開発で米グーグルの子会社、ウェイモと手を組んだ。

 三社連合も車体の基本骨格や部品の共通化を進めコストを削減。相乗効果は二〇一七年度、五十七億ユーロ(約七千三百億円)に上った。三菱自幹部は「三社がウィンウィン(相互利益)の関係にある」と話す。連合の枠組みを壊す選択肢は初めからあり得なかった。

 ただ絶大な権力で三社連合をけん引してきたゴーン容疑者の逮捕で、三社間の「力学」が変わる可能性がある。かつてルノーに出資をあおぎ、ゴーン容疑者の改革で再生した日産だが、今や企業規模ではルノーを引き離す大きさだ。しかしルノーに43%の株を握られる一方で、日産が持つルノー株は15%。フランスの商法の規定で議決権もない。

 日産側は独立性を保ち、不平等でいびつな関係を見直したい考えだが、ルノーの筆頭株主のフランス政府は日産を支配下に置き、自国産業へ貢献させたい思惑がある。

 三社は二十九日、合議制への転換をアピールした。しかし日産とルノーの思惑にはずれがあり、ゴーン容疑者がトップを務める連合統括会社の後任人事や、運営方針を巡る駆け引きが今後は激しくなりそうだ。

 

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