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【経済】

革新機構 成長戦略、政府にも批判 発足3カ月弱、活動停止に

<解説> 産業革新投資機構の民間出身の取締役が総退陣し、国内最大の官民ファンドが発足からわずか三カ月で活動停止に追い込まれた。安倍政権が成長戦略に活用してきた官民ファンドの必要性が、あらためて問われるのは確実だ。

 同機構は、国内企業の救済色が強かった前身の産業革新機構を抜本的に見直す形で設立された。経産省は、海外経験が豊富な田中氏をトップに抜てきし、年明けからは成長性の高い創薬やバイオ分野への投資を本格化する予定だった。

 しかし九月に機構が発足すると、成長戦略ありきだった政府の拙速な対応が露呈する。経営陣の報酬を巡って官民の認識のズレが明らかに。政府は「事務次官を超える高給は看過できない」との立場で、はしごを外された形の田中氏は猛反発し、今回の退陣劇となった。

 政府が、官民ファンドを通じてベンチャー投資に関与することはそもそも難しい。民間の高度な投資経験を持つ人材を獲得するには高額な報酬が必要な半面、国費を投入するため、報酬水準には国民の理解が求められるため。民間出身者の投資判断に政府がどの程度介入するという線引きも曖昧で、その点でも両者は対立したとされる。

 今後は、後任選びを含めた経営体制の刷新が必要となるが、経産省への産業界の信頼はすでに低下している。官民ファンドを通じた政府主導の成長投資への批判が高まることは避けられない。 (矢野修平)

 

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