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【経済】

海外リスクに警戒 12月日銀短観 景況感、先行き大幅悪化

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 日銀が十四日発表した十二月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標の大企業製造業の業況判断(DI)が前回九月調査から横ばいとなり、二〇一八年は一度も景況感が改善せずに終わった。災害からの持ち直しで悪化は四・四半期(一年)ぶりに止まったが、激化する米中貿易戦争が日本経済の先行きに影を落とす。 (岸本拓也)

 これまで三期連続で悪化していた景況感が横ばいにとどまったのは、西日本豪雨や北海道の地震からの復旧が進んで不安が和らいだためだ。復興の建設現場に必要な素材の需要が高まり、「窯業・土石製品」などの業種が改善した。

 大企業非製造業でも、自然災害の影響で落ち込んだ「宿泊・飲食サービス」や「対個人サービス」「運輸・郵便」などの景況感が持ち直し。原油価格が十月以降は下落傾向で、原材料高が落ち着いたことも追い風になった。

 しかし先行きの景況感については、大企業の製造業と非製造業はともに四ポイントの悪化を見込む。特に、製造業では主要産業の「自動車」や半導体向けの「生産用機械」などが厳しい見通しを示した。背景には貿易戦争の激化がある。米国が中国からの輸入を防ぐため関税を引き上げ、中国では生産に陰りが見られる。そのあおりで、日本でも中国向けの工作機械の受注が急減するなど影響が表れつつある。

 さらにニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「年明けに始まる日米通商協議で、米国から自動車関連の圧力が強まるとの警戒感も高まっている。楽観できない」と指摘する。英国の欧州連合(EU)離脱問題など高まる海外経済のリスクも企業心理を冷え込ませる。

 DIの水準自体は高いが、年間を通じて大企業製造業の景況感が一度も改善しなかったのは、黒田東彦総裁が一三年三月に就任してから初めて。世界経済の減速の影響が鮮明になれば、政府・日銀は追加の対応を迫られる可能性がある。

<日銀短観> 日銀が全国の企業約1万社を対象に実施しているアンケート「企業短期経済観測調査」の略称。景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いた「業況判断指数(DI)」で判断する。3、6、9、12月の年4回実施し、現状と3カ月後の景況感や設備投資計画など幅広く調べる。直近の景気実態を把握するのに役立つとされ、金融政策や政府の景気対策の判断に影響するため注目度が高い。

 

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