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【経済】

米FRB、0.25%利上げ 来年は回数減 景気減速に警戒感

 【ワシントン=石川智規】米国の中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)は十九日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、約三カ月ぶりの利上げを全会一致で決定した。二〇一九年の利上げ回数の見通しについては年三回から年二回に引き下げ、景気の先行きに対する警戒感をにじませた。

 FRBは〇八年のリーマン・ショック後にゼロ金利政策の導入に踏み切ったが、一五年十二月に解除。その後は少しずつ政策金利を引き上げてきた。今回の利上げは今年四回目で、ゼロ金利の解除後では九回目。政策金利である短期金利の指標フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0・25%引き上げて年2・25〜2・5%とし、二十日から適用する。

 会合後の声明では、雇用情勢や家計支出が堅調なことを背景に「経済は強いペースで成長している」とし、従来の景気判断を据え置いた。一方で「世界経済と金融情勢を引き続き注視し、これらが経済に与える影響を見極めていく」とし、前回十一月の声明にはない新たな表現を追加した。

 今後の金融政策についても「いくらかのさらなる緩やかな利上げが経済活動の安定成長に資する」とし、将来の利上げ回数について「いくらかの」という表現を追加。利上げペースの減速を示唆した。一方で二〇年に一回の利上げをし、政策金利の引き上げを終わらせる見通しは維持した。

◆金融市場に先行き不安

<解説> FRBが来年以降、利上げのペースを減速させる方針を示した。トランプ米大統領が主導する米中貿易摩擦などの影響で、世界経済の悪化に対する懸念が強まったことが背景だ。一方でトランプ氏は今回の利上げは「常軌を逸している」と指摘し、FRBへの攻勢を緩めない。金融政策は二〇一九年も、トランプ氏に翻弄(ほんろう)されることになる。

 「経済の軟化を示唆する動きがある」。FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見でこう述べた。株価の下落や貿易戦争の行方が企業や市場の不安をかき立て、その影響で経済活動が鈍化しかねない、との懸念を示した。

 米経済は低水準の失業率や堅調な個人消費を基に、安定成長を続けてきた。トランプ政権発足後の大幅減税や大規模な財政出動などが支えとなっていた。だが減税効果は徐々に剥落し、貿易摩擦への懸念が広がる。上昇を続けた米株価はここに来て激しく変動し、金融市場の楽観論は急速に修正されつつある。

 自身の政策が経済の不安定化をもたらす中、トランプ氏は利上げ政策を批判するなど、FRBへの逆風をあおっている。金融政策が政治からの影響を受ける恐れが広がれば、市場がさらに動揺し、日本や世界経済への悪影響を及ぼす可能性も生じる。一九年は世界経済にとって試練の年になりそうだ。  (ワシントン・石川智規)

 

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