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【経済】

日本背水 IWC脱退へ 関係者ら不安と支持「商業捕鯨へ前向きに」

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 政府が国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退方針を固めたことが判明した二十日、国内の捕鯨関係者や消費者からは商業捕鯨再開に向けた動きとして支持する声が上がった一方、「脱退後のビジョンが見えない」「国際的な批判のデメリットの方が大きいのではないか」と不安の声も漏れた。 

 「米国のトランプ政権みたいな強硬姿勢ですよね」。東京都内の飲食店でクジラ肉のロースト丼を食べていた横浜市中区の男性(41)は、IWC脱退方針のニュースに眉をひそめた。「クジラ肉は懐かしさもあるし、おいしいけれど、国際的に孤立してまで捕獲量を増やさないといけないのか」

 千葉県南房総市は江戸時代から約四百年、クジラ漁が続く。市立和田小では約二十年前から、地元で水揚げされるツチクジラの解体作業を見学する授業を続けている。長谷川直子教頭(53)は「いろいろな立場の人がいて、脱退に賛成か反対かは一概には言えない。この地に根付いた食文化はどうなるのか、気掛かりです」と語った。

 捕鯨文化が根付く和歌山県。商業捕鯨の再開を求めて毎年、水産庁に要望書を提出しており、担当者は「正式に国から話を聞いていないが、前向きに捉えている」と話した。「近代捕鯨発祥の地」を掲げ、十一月に調査捕鯨の船団が出航した山口県下関市の担当者は「これから情報を収集し精査していきたい」と述べるにとどめた。

 「脱退する選択肢があるのは分かるけど…」と漏らしたのは、宮城県石巻市でクジラ肉を取り扱う卸売業者「石巻魚市場」の須能邦雄さん(75)。「国際的な決まりから外れるのはリスクがある。脱退後どういう戦略を取るのかを国民に示し、不安を払拭(ふっしょく)する必要がある」と不安ものぞかせた。北海道釧路市の鮮魚店の店員は「脱退はやむを得ないのではないか。どのような形であれ、店にクジラ肉が入ってくれればいい」と冷静に受け止めた。

調査捕鯨で北海道・釧路港に水揚げされたミンククジラ=2017年9月

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