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【経済】

19年度予算案 便乗予算、歯止めなし 社保費急増、将来の不足確実

<解説>

 平成最後の予算案に組み込んだ消費税の増税対策は、景気の下支えとキャッシュレス普及の両方を狙ったポイント還元制度の導入など「何でもあり」の内容となった。財政の膨張に歯止めをかけ、最大の課題である医療や年金など社会保障の充実に備えていく姿勢はみえない。 

 目玉のポイント還元は、キャッシュレス普及という別の目的を増税対策に紛れ込ませ、便乗の色が濃い。拙速な決定は、普及の必要性を感じていない高齢者らを戸惑わせる。ほかの対策も、商品券の直接給付や災害に備えた公共事業など、旧来型で効果が疑問視されるメニューが目立つ。

 第二次安倍政権の発足後、景気が回復局面にもかかわらず経済対策を組む不可思議な状況が繰り返されてきた。今回も税収増を生かして財政を立て直す好機を逃し、来年夏の参院選を意識して歳出増でアピールする。基本の構図は変わっていない。

 増税対策以外をみても、野放図に財政が膨らんできた。防衛費は五年連続で過去最高を更新し、聖域化しつつある。日銀が金融緩和で民間銀行から国債を大量に買い続け、政府の借金の半分近くを事実上肩代わりしていることで、無駄な支出を抑えようとする政府の意識は薄れる一方だ。

 国民にとって最も重要な社会保障費は当初予算案でも急増し、近い将来に足りなくなるのは確実で無駄は許されない。来年は米中の貿易摩擦も相まって世界景気が減速する可能性さえある。本質の議論から逃げている余裕などない。 (渥美龍太)

 

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