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【経済】

東証終値1010円安 2万円割れ 米発の株安連鎖

日経平均株価(右上)など世界各地の株安を示すボード=25日午後、東京・八重洲で

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 連休明け二十五日の東京株式市場は、世界経済の成長鈍化を警戒する売り注文が広がり、日経平均株価(225種)は急落した。終値は前週末比一〇一〇円四五銭安の一万九一五五円七四銭で、節目の二万円を大きく割り込み、一年八カ月ぶりの安値を付けた。平均株価の値下がりは五営業日連続で一年八カ月ぶりの安値を付けた。下げ幅は二月六日(一〇七一円)に次ぐ、今年二番目の大きさだった。米国を発端とする世界同時株安は深刻化し、下落の連鎖に歯止めがかからなくなっている。

 株安傾向が続けば、資産価格の下落を通じて家計を含め国内の経済活動に悪影響を及ぼす公算が大きい。

 直近の高値だった十月二日終値からの下落率は二割を超え、市場で悲観的な見方が優勢になるとされる「弱気相場」入りした。東証株価指数(TOPIX)終値は七二・六四ポイント安の一四一五・五五で約二年一カ月ぶりの低水準。出来高は約十七億一千六百万株だった。

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 米国では原油相場が急落して石油産業界の収益への懸念を招き、米政府機関の一部閉鎖は投資家の不安をかき立てた。トランプ米大統領は連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を視野に入れたと伝わり、米経済を取り巻く混乱が東京市場でも重荷となった。

 二十四日の米株安を受け、東証一部のほとんどの銘柄が朝方から売られた。円高ドル安も重荷となり、大手製造業は年初来安値を更新する銘柄が相次いだ。日本の長期金利が一時0%ちょうどまで低下し、業績悪化懸念から金融株も売られた。

 先行きに関して、市場関係者の一部は割安感から今後の株価が上昇に転じるとの予測を維持する。一方でトランプ政権の混乱を挙げ「投資家は先が見えず投げ売り状態で平均株価は二〇一九年に一万七〇〇〇円台前半まで下げる可能性がある」と慎重な声も聞かれた。

◆消費増税控え暗雲 政策手詰まり 不安増幅

 日経平均株価は二十五日、一〇〇〇円を超す大幅な値下がりとなった。政府や市場関係者は国内景気は安定しているとの見方を変えていないが、下落のペースは速く、上昇を続けてきた株価の変調は鮮明になってきている。不安定な株式市場が続けば、来年十月の消費税増税も危ぶまれる展開になりかねない。

 「企業の内容自体が悪いわけではない。米中貿易摩擦等の先行きに関する心配が売りの材料になっている」。市場大幅下落を受け、麻生太郎財務相は同日の閣議後記者会見で指摘した。

 株価急落の背景にあるのは世界経済の先行き不安の高まりだ。

 先週、米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)後に示した来年の利上げ見通しが市場の期待より「積極的」と受け取られ、利上げで米景気にブレーキがかかるとの警戒感が強まった。トランプ政権が対中強硬策を強めていることでも、貿易が停滞するとの懸念が高まり、金融市場では来年、世界経済が予想以上に減速するとの見方が台頭している。

 世界的な株価下落が止まらない中、日本では来年十月の消費税増税が控える。

 二〇一四年の一回目の消費税増税延期に続き、一六年にも「世界経済危機が来る可能性がある」として二回目の延期をした安倍政権。今回はポイント還元などの対策も講じ、予定通り行う方針。菅義偉官房長官も二十五日、「リーマン・ショック級の事態が起こらない限り予定通り引き上げる」とあらためて述べた。景気次第で増税を停止できる「景気条項」も一六年に削除した。

 だが、市場では「一六年当時より現在の方が先行きは暗い」(カブドットコム証券の山田勉氏)との見方も出ている。

 日米とも追加的な景気てこ入れ策は手詰まりだ。

 トランプ政権はすでに所得税減税など景気刺激策を打っているほか、金融政策を巡っては、トランプ大統領がツイッターで「米国経済が抱える唯一の問題はFRBだ。彼らは市場の動きを実感していない」と批判。政権と中央銀行の足並みの乱れが目立っている。

 日銀も長引く超低金利で銀行の利益が低下するなど副作用が目立っており、一段の金融緩和は困難。政策面での行き詰まりも市場参加者の不安を増幅させる悪循環に入っている。 (木村留美)

 

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