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【経済】

商業捕鯨 7月再開へ 日本 IWC脱退通告

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 政府は二十六日、国際捕鯨委員会(IWC)側に脱退を通告した。来年七月から約三十年ぶりに商業捕鯨を再開し、日本近海と排他的経済水域(EEZ)でミンククジラなど三鯨種を捕獲する。捕獲量は調査捕鯨と大きく変化せず、鯨肉の供給量は維持される見通し。捕鯨に携わる漁業者への支援も検討する。反捕鯨国を中心に国際社会は反発を強めている。

 商業捕鯨はミンククジラ、イワシクジラ、ニタリクジラの三種を対象とし、IWCの方式で算出した捕獲枠内で実施する。三種は資源量が豊富との科学的根拠が示せるため、国際的な批判を受けにくいと判断があったとみられる。

 特にミンククジラは沿岸捕鯨が盛んな地域から商業捕鯨再開の要望が強かった。伝統的な沿岸捕鯨業が存続の危機に陥っていることも政府が脱退を決断した背景にある。

 具体的な枠は検討中だが、水産庁幹部は「鯨肉の供給が大幅に減ることにはならない」との見通しを示した。現行の南極海と北西太平洋の調査捕鯨では、ミンククジラなど年間計約六百四十頭を捕獲し、副産物として鯨肉を市場に供給している。

 商業捕鯨では、日本のEEZ内の沖合操業ではイワシクジラなど三種が対象となる。IWC管理対象外のツチクジラなどを現在捕獲している沿岸操業では、ミンククジラを新たに捕獲する。想定拠点として、北海道・網走や山口県・下関など全国七カ所を示した。

 沖合は調査捕鯨の母船「日新丸」を保有する共同船舶(東京)が、沿岸は沿岸捕鯨業を営んでいる事業者が手掛けることを想定している。政府は、商業捕鯨が三十年ぶりで収益の見通しが立ちにくいことも踏まえ、漁業者への支援を検討する。現在は調査捕鯨の実施などのため年五十億円程度が予算計上されている。

 <国際捕鯨委員会(IWC)>クジラ資源の保存と捕鯨産業の秩序ある発展を目的に国際捕鯨取締条約に基づき1948年に設立された国際機関。日本は51年に加盟。約80種類生息しているクジラのうち、シロナガスクジラやザトウクジラなど大型の13種類を管理対象とする。

 

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