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【経済】

<働き方改革の死角>パソナ時給下げ「法の趣旨反する」 派遣実態聞き取りへ

 派遣会社大手のパソナが、無期雇用へ転換した派遣社員に通勤手当の支給を開始したのと同時に時給を減額した問題で、根本匠厚生労働相は二十六日の参院予算委員会で「改正労働者派遣法の施行前であるものの、派遣労働者の待遇改善を図る法の趣旨に反し待遇引き下げを行うことは、望ましくない」と述べた。根本氏は派遣会社の業界団体から実態の聞き取り調査をし、事態の改善に向け指導する方針も示した。 (池尾伸一)

 この問題はパソナが無期雇用に転換する派遣社員に昨年六月から通勤手当の支給を開始した一方で、時給を六十円減額していたことを本紙が報道し明らかになった。他の大手でも同様の動きがある。

 参院予算委で立憲民主党の石橋通宏氏は「こうした脱法行為を許したら非正規社員の待遇改善は絵に描いた餅になる」と追及。根本氏は「業界にヒアリング(聞き取り調査)して事態を把握し、(非正規社員の待遇改善を目指す)改正労働者派遣法の趣旨に沿った対応が図られるように来年四月の同法施行に向けて取り組んでいく」と答弁した。

 通勤手当支給と引き換えの時給引き下げは、昨年からパソナなど派遣大手の間で広がっていたが、この問題では、派遣業界の監督官庁である厚労省の対応の遅れが目立っている。

 本紙の調べでは、非正規の問題に取り組む労働組合などは昨年十月の厚労省の事務方との協議で、問題の広がりを伝えていた。二十六日の参院予算委では、同時期に開かれた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)でも、時給が減らされた例が報告されていたことが明らかになった。

 しかし厚労省は本紙が詳細を報道するまで事実上、事態を放置していた。根本氏は同審議会で問題点が指摘されていたことについて「承知していなかった」と答弁した。

 

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