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【経済】

パワハラ対策「窓口 形だけなら無意味」 上司の主観で減給/動かぬ会社

 パワハラ対策を義務付ける法案の審議が国会で始まった。だが、パワハラに苦しむ人たちからは相談窓口設置だけでは助けにならないとの声が聞こえてくる。

 「笑顔が途絶えがち」−。二〇一八年夏、東京都内の大手広告代理店に勤める四十代のAさんに上司はこんな評価を突きつけ、同時に「減給」を言い渡した。

 管理職の査定が給与に反映される仕組みが導入されたのに際し、上司は極めて主観的な評価をしてきた。

 納得できず会社に抗議。交渉の末に減給は撤回されたが、今年二月、上司は新たな基準を持ち出してきた。

 三回のミスで減給一割、五回以上は二割−。笑顔が少ないのも「D」や「E」判定の原因となり、減給が待っている。

 だが、Aさんはネット広告のシステム開発を担当、日々数万件のデータを扱っており、細かいミスは日常的に起こる。「こんな基準は守れない。嫌がらせ以外の何物でもない」。だが、上司は撤回してくれない。

 Aさんが一七年に会社に転職してきた直後から、上司は数人分の仕事を課してきた。仕事が遅れると机を手でバンバンたたき、「なぜできないんだ」とほかの社員の前で罵倒した。

 社員千人以上の同社。パワハラ相談窓口は設置されており、Aさんは何度か相談に訪れた。だが、担当者は「確認が必要」と繰り返すだけ。動いてくれない。

 相談後、上司は頻繁にメールでの報告を求めるようになり一段と厳しくなった。Aさんは相談したことが担当者から上司に伝えられているのではと不信感を募らせる。

 「形だけの窓口なら、あってもなくても変わらない」。深いため息をついた。

 

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