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【経済】

中国GDP 1〜3月期6.4%増 「官頼み」先行き不透明

上海モーターショーで中国メーカー、東風汽車が新発表したEV「風光E3」。中国では新車販売の低迷が続く=浅井正智撮影

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 中国国家統計局が十七日発表した一〜三月期の国内総生産(GDP)は、前年同期比6・4%増加し、三・四半期続いた減速から横ばいに転じた。インフラ投資や大型減税などの景気対策が成長を下支えしたが、自動車市場は前年実績割れが続く。「官」頼みの構造は変わらず、先行きも不透明だ。 (北京・安藤淳、上海・浅井正智)

■危機感漂う会場

 「二十八年間の急速な発展を経て、中国の自動車業界は厳しい試練に直面している」。上海モーターショーが始まった十六日、中国国有自動車メーカー「東風汽車」傘下の東風乗用車・顔宏斌(がんこうひん)副総経理は危機感を吐露した。

 中国の新車販売は昨年、二十八年ぶりにマイナスに転落。三月の販売台数も前年同月比5・2%減の二百五十二万台。九カ月連続で前年実績を割り込んだ。

 会場を歩くと「智能駕駛(スマート運転)」「新能源(新エネルギー)」とのうたい文句が目につく。民間の吉利汽車の安聡慧(あんそうけい)総裁兼最高経営責任者(CEO)は「血の通ったスマート技術を高め、競争に立ち向かう」と言う。業界は政府の手厚い保護を背景に電気自動車(EV)にシフト。反転攻勢を目指す。

 中国自動車工業協会の一九年の新車販売台数予測では横ばいの二千八百十万台にとどまる中、車メーカーの過剰生産が指摘される。

 EV大手、比亜迪(BYD)の王伝福(おうでんふく)総裁兼会長は「今年は自動車産業にとって調整の一年となる」と強調。景気を押し上げるほどの勢いが出てくるまでは忍耐を強いられそうだ。

■農村で消費拡大

 昨年からの景気減速を受け、中国政府はさまざまな手を打った。インフラ投資の増加や、企業負担を約二兆元(約三十三兆円)軽減する大幅減税などへの期待感も高まる。

 同時に発表された一〜三月期の固定資産投資は前年同期比6・3%増となり、

二〇一八年通年の前年比5・9%増から0・4ポイント加速した。消費も農村部で拡大。丸紅中国の鈴木貴元・経済調査総監は「インフラ建設による農民工や中低所得者の収入増が、家電や日用品の消費を下支えした」と分析する。農村部で自動車購入に補助金支給するなどの対策の効果も徐々に表れ始めたとみられる。

■米中対立は常態化

 ただ、景気が再び加速すると判断するのは尚早だ。米中貿易摩擦は長びいており、合意できたとしても追加関税が撤廃されるかは不明。知的財産権や第五世代(5G)移動通信システムなど先端技術や、安全保障に直結する問題での覇権争いは常態化している。

 小売売上高も力強さはない。景気刺激策も、中国の過剰債務の削減などの構造改革を遅らせるリスクと背中合わせ。経済協力開発機構(OECD)は十六日に公表した最新の調査リポートで「中国の景気刺激策は中期的には構造的なひずみを悪化させる可能性がある」との見解を示した。

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