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【経済】

時代を映した、コピー TCC会長に聞く「平成」 バブルからウェブへ

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 バブルの絶頂期から崩壊、そして長い低迷に苦しんだ平成の日本経済。こうした時代を企業広告はどう映したのか。日本最大の広告制作者団体「東京コピーライターズクラブ(TCC)」会長で、「マルちゃん正麺」(東洋水産)「TSUBAKI」(資生堂)などを手掛けたコピーライター、谷山雅計(まさかず)さん(57)=写真=に聞いた。 (池田実)

 −平成を代表する広告として思い浮かぶのは?

 その時々で素晴らしい広告はあるが、まずは「そうだ 京都、行こう。」(JR東海)だろう。一九九三年から始まったが、バブル期、せわしすぎる時代を生きてきた日本人が、そうだ京都行こうと思う気持ち、これは場所とか目的ではなく、日本人の心のどこにでもある京都的なものが表現されたと思う。

 −もうひとつ挙げるなら。

 宇宙人ジョーンズの「このろくでもない、すばらしき世界。」(サントリーの缶コーヒーBOSS)を挙げたい。二〇〇六年から始まった。平成、おそらく多くの方がろくでもない記憶がよみがえってくると思う。ただ、それだけの時代だったと思っている人は多くはないのでは。ろくでもない中にも、何か望みもあったのではないか。宇宙人が観察して語るのも含め、平成という時代を切り取ったコピーだ。

 −昭和、例えば高度成長期と比べ、違いは感じるか。

 高度成長期には、まだ消費活動が成熟してなかったから、こういう生活習慣、こういう使い方はいかがですかといった提案型が多かったように感じる。たとえば「金曜日はワインを買う日。」(サントリー、一九七二年)とか。

 −平成はメディアが大きく変わった時代でもある。

 ウェブが広がった。われわれ世代のコピーライターがやるのは、伝えることを集約すること。余分なものを削って削って削って研ぎ澄まして言葉にする、というのが仕事の中心だった。

 しかしウェブの登場で削らずに、だらーっと書いても、そのまま載せられるようになった。最近は、だらだら書いているんだけど、世の中に伝わってしまう、優秀な書き手も出てきている。面白いのは、新しいやり方が出たからといって昔のやり方が消えるわけではないということだ。

 −四月にTCCの新会長に就任した。

 コピーライターって、いつの時代もすてきで面白い仕事。やってみたいと若い人たちに思ってもらえるよう考えていきたい。

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