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【経済】

見かけの成長 下支え欠く GDP速報値

<解説>

 一〜三月期の実質GDP速報値は年率2・1%増と、ゼロ%前後が大勢を占めていた民間予測を大きく上回った。もっとも、高い数字は原油などの輸入の激減に伴い、外需が見かけ上、プラスに転じたにすぎず、昨年来、成長を下支えしてきた内需は力強さを欠く。出口の見えない米中貿易摩擦が世界経済の先行きに暗い影を落としていることもあり、与党内では十月に予定する消費税増税の「再々延期論」がくすぶり続けそうだ。

 今回の結果では、内需の低調さが目立った。個人消費と設備投資はいずれもマイナス。輸出以上に輸入が落ち込み、外需がプラスになったことで全体としては成長しているように見えるが、景気の実態は「見た目の数字より悪い」(内閣府幹部)といえる。

 深刻なのは、GDPの六割近くに達する個人消費の冷え込みだ。前回、マイナスだった昨年七〜九月期は西日本豪雨や北海道胆振(いぶり)東部地震といった自然災害が相次いだことが要因だったが、今回は「平時」にもかかわらずさえなかった。食料品の値上げなどに伴う消費者心理の悪化が背景にあったためとみられ、さらに負担を実感しやすい消費税を増税すれば、財布のひもが一層固くなる可能性を否定できない。

 ここにきて消費税増税の判断に注目が集まっているが、安倍晋三首相が三たびの延期に踏み切るかどうかにかかわらず、はっきりしていることはある。六年以上、大規模な金融緩和と財政出動を繰り返してきたのに、多くの国民が安心、納得して消費税増税を受け入れられるだけの状況をつくり出せなかったということだ。夏の参院選では、アベノミクスの是非が問われることになる。 (生島章弘)

 

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