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【経済】

デジタル課税 来年決着計画 OECD、G20で合意へ

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 巨大IT企業を主な対象とする新税制「デジタル課税」を検討してきた経済協力開発機構(OECD)は三十一日、今後の作業計画を発表した。福岡市で六月八、九日に開く二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で合意する見通し。関係国や専門家が二〇二〇年の決着を目指して本格協議に入る。企業が支店などを置く国に課税を認める原則を改め、拠点がなくてもインターネット通販などを使う消費者の多い国に税収が入るようにすることが柱となる。

 日本も海外IT大手から税収を得やすくなる可能性がある一方、企業は海外進出先での納税が増える恐れがある。こうした利害が国ごとに異なるため、計画では具体的な課税方式を一つの案に絞れておらず、意見集約は難航も予想される。

 メーカーなどを想定した現行税制は、拠点の有無で課税の可否が分かれる。ネット取引が広がり、米グーグルなど「GAFA」と呼ばれる巨大ITのサービスが及ぶ国で課税しにくい難点があり、OECDを軸に約百三十カ国が入る枠組みで見直しを議論していた。

 新たに課税する利益の算定方法では米国、英国、インドなどの新興国が出した三案がある。米国がIT限定に反対するなど適用業種や仕組みに隔たりがある。六月からOECDの専門家部会が各案を分析、内容を近づけるなどして二〇年一月に具体案を絞り、二〇年中に最終報告をまとめる。

 国際的に法人税の最低税率を定め、多国籍IT企業の税逃れを防ぐ案も並行して検討する。IT大手ではアイルランドなど税率の低い国に拠点や知的財産を移す節税が指摘されており、ドイツとフランスが規制を提唱していた。

 計画に沿い、専門家は企業からの税収を多国間で分け合うルールや課税の重複を避ける方法に加え、条約改正案も検討する。幅広い業種が対象になり、企業の税務が混乱する恐れを日本は注視しており、協議に積極的に関わる方針だ。

 

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