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【経済】

G20閣僚会合閉幕 議長国の日本、存在感出せず

<解説> 二十カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議と貿易・デジタル経済相会合は、採択したいずれの声明でも「反保護主義」の文言を盛り込めなかった。各国の賛同を得やすいテーマに絞り、合意形成を優先した格好だが、日本は「自由貿易の旗手」(安倍晋三首相)を自任するだけに、物足りなさは否めない。

 今回は、米国が10%にとどめていた二千億ドル(約二十二兆円)相当の中国製品への関税を25%に引き上げ、さらに第四弾の制裁措置を表明して間もない時期の開催。主要な先進国と新興国が一堂に会する場で米中の緊張緩和や世界経済の安定成長につながる踏み込んだ議論が期待された。

 だが、日本は米国の反発を招かない「安全運転」に徹した。貿易・デジタル経済相会合の同行筋は閉幕後、かつて各国の共通認識だった「保護主義と闘う」という文言を再び盛り込む考えは当初からなかったと明かした。声明をまとめることにこだわるあまり、米中貿易摩擦の激化を巡る各国の懸念を真剣に受け止めていなかったとすれば、本末転倒のそしりは免れない。

 政府・与党は今月末の首脳会議(大阪サミット)で議長を務める首相の「外交実績」を前面に打ち出し、夏の参院選を戦いたい考えだ。しかし、保護主義に歯止めをかける気概を見せず、安易な成果だけを求めるなら、有権者に見透かされるに違いない。 (生島章弘)

 

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