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【経済】

在職老齢年金、廃止も視野 氷河期世代30万人雇用増 骨太方針案

 政府は十一日の経済財政諮問会議に、経済財政運営の指針「骨太方針」の案を示した。働いて一定の収入がある人の年金を減額する在職老齢年金制度は「将来的な廃止も展望しつつ見直す」と明記。バブル崩壊後の「就職氷河期世代」のうち困難な状況にある約百万人向けの支援プログラムも盛り込み、この世代の正規雇用者を三年間で三十万人増やす目標を掲げた。企業が支払う最低賃金は、全国平均の時給が「より早期に千円になることを目指す」と引き上げ加速を促した。二十一日をめどに閣議決定する。

 十月の消費税増税方針を維持した上で、就労促進による内需活性化に重点を置いた半面、財源の裏付けや実効性には不安を残す。安倍晋三首相は「氷河期世代への対応は国の将来に関わる重要な課題だ。実行こそが大事だ」と述べ、体制整備を指示した。

 在職老齢制度は会社員らが入る厚生年金が対象で、六十〜六十四歳は賃金・年金の合計が月二十八万円、六十五歳以上は四十七万円を上回ると受給額が減る。骨太方針案は働く意欲を妨げないよう、法案提出を含め必要な措置を取るとした。ただ、年金財政に影響させずに廃止するには一兆円ほどの財源が要る。

 年金制度では受給開始年齢の七十歳超への繰り下げも選択可能とするよう検討するが、社会保障改革の総合的な政策は二〇二〇年度の骨太方針でまとめるとし、高齢化に伴い給付減や負担増が見込まれる議論は今夏の参院選後に持ち越した。

 就職氷河期世代は一九九三〜〇四年ごろに学校を卒業した人。正社員で働く希望がかなわないフリーターらの五十万人や、長期無業・引きこもりの四十万人などを集中的に支える。この世代は過去五年間に年五万人ずつ正規雇用が拡大しており、ペースを年十万人に倍増させる。ハローワークに専門窓口を設けるほか、民間にも事業を委託して成果に応じて報酬を払う。

 米中貿易摩擦などの海外発のリスクが顕在化すれば「機動的なマクロ経済政策をちゅうちょなく実行する」と追加経済対策に動く姿勢を表明。七十歳までの就業機会確保を柱とした成長戦略や、地方創生に関する新たな基本方針も反映させた。

 

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