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【経済】

日産改革 骨抜きの恐れ ルノー首脳、関与強化要求

 仏自動車大手ルノーのジャンドミニク・スナール会長は十二日の株主総会で、日産自動車が経営の透明性を高めるために設ける指名委員会などの組織に自身とティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)の二人を入れるよう求めた。日産の企業統治改革を骨抜きにしかねない要求だ。のまなければ、ルノーは日産の株主総会で関連議案の阻止に回る構えで、改革は頓挫しかねない。残された時間は二十五日の日産総会まで十日余。揺さぶりをかけるルノーに日産は難しい交渉を強いられている。 (森本智之)

 日産はカルロス・ゴーン前会長に権限が集中した反省から、役員の人事や報酬は社外取締役が中心の「指名」「報酬」「監査」で決める、「指名委員会等設置会社」へ移行する方針だ。「報酬」は全員、残る二つは過半数が社外取締役となり、経営統合を求めるルノーの影響力を結果的にそぐことにもなる。

 こうした方針は、スナール氏も含む日産取締役会で承認を得て準備を進めてきた。ところが、フィアット・クライスラー・オートモービルズとの統合交渉が物別れに終わった直後の七日付で採決を棄権するとの書簡をルノーが日産に送ってきた。ルノー総会でのスナール氏の発言は、委員会でのポストを得られれば、議案に賛成するという交換条件を突きつけた格好だ。

 こうしたルノーの「変心」に日産の反発は強い。

 幹部の一人は「ルノーの関与が強まれば、ゴーン前会長の時代と同じことになりかねない。社会や投資家にもガバナンス改革を進めると約束してきた。安易な妥協はできない」。別の幹部は「ガバナンス改革をするなと言っているようなもの。ルノーのことを信用できなくなる」と述べる。

 ただ幹部によると、ルノーとの交渉材料は多くはなく「説明して理解を得るしかない」状況のようだ。

 一方、日産の株主総会で採決される西川(さいかわ)広人社長の取締役再任議案について、投資家への議決権行使助言を手掛ける米の大手二社は「西川氏はゴーン前会長らによる不正行為があった時に代表取締役で、監督すべき立場だった」などと反対を推奨している。日産株の43%を持つルノーが賛成すれば再任の可能性が高いが、賛成票の獲得率が伸びなければ、西川氏の求心力が弱まりそうだ。

 

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