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【経済】

個人事業主、どう守る ウーバー配達員労組結成へ

組合設立のために集まり川上資人弁護士(正面中央)の説明を聞くウーバーイーツの配達員たち=12日、都内で

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 米配車大手ウーバー・テクノロジーズが日本で展開する食事宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員らが労働組合を結成する計画を進めている。配達員はウーバーとは雇用関係がなく個人事業主として同社と契約し、事故が起きても労災対象にならないなど労働条件は過酷な面も。政府は「雇用によらない働き方」として個人事業主を推進しながら労働環境の改善策は打ち出せておらず、労組結成の動きは保護策のあり方に一石を投じそうだ。 (池尾伸一)

 十二日、都内で開かれた結成準備の会合には配達員ら三十人が集まった。

 ウーバーイーツは、消費者がアプリで飲食店に注文すると、登録している配達員が店で食事を受け取り、自転車やバイクで配達する。サービスは急拡大しており、配達員は全国で一万人以上に上る。ウーバーは「配達員を雇っているわけでない」としており、配達員は失業した場合の雇用保険やけがした場合の労災の対象にならない。

 会合では働く環境についての不安を訴える人が相次いだ。三年前から専業で配達員をしている尾崎浩二さんは配達中に転倒し、ひざをけがしたが、「自分で払わざるをえなかった」という。

 配達員の女性は今月初め自転車で配達していて、自動車と接触。相手からむち打ちになったとして治療代を請求されている。対物や対人保険はウーバーが加入しているはずだが、ウーバーに「適用できるか分からない」と言われ、不安にさいなまれている。やりとりは全てメール。「非人間的な対応でなく働く側に親身に相談に乗ってほしい」と訴える。

 手数料にも「不透明」との声が多い。一定件数をこなすと、手数料率が上がるが、「計算方式が公表されておらず、ころころ変わる。配達員はどうすれば効率的に働けるのか分からない」(男性配達員)などの不満が相次いだ。

 政府は「働き方改革」を進める一方、残業規制などの「抜け穴」となる個人事業主の働き方を推進。最近はクラウドソーシングとして自宅などでネットで仕事を受注する人たちも急増している。だが、働き手の保護策は後手に回っており具体策は宙に浮いたままだ。

 支援する日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は「政府の動きは重いが、働き手が集まり労組を作れば、裁判所や労働委員会の決定や仲介で、会社は話し合いに応じざるをえない。配達員が集まる意義は大きい」と話した。

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