東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

国内メーカー電動化の柱 ハイブリッド車、再脚光

トヨタ自動車の「プリウスPHV」

写真

 国内自動車メーカー各社でハイブリッド車(HV)を電動化の柱に据える動きが目立ってきた。欧米や中国が定める燃費規制をクリアするために期待された電気自動車(EV)だが、普及が思うように進まないからだ。それでも環境規制は厳しさを増す。つなぎの技術とやゆもされたHVが、ここに来て現実的な解決策として再び存在感を高めている。 (森本智之)

 ■改善

 「電動化はハイブリッドを中心に進める」

 ホンダの八郷隆弘社長は五月八日の決算発表の会見で明らかにした。その六日後、日産自動車の西川広人社長も会見で、日産独自のハイブリッド技術である「eパワー」の販売を拡大する方針を強調した。

 これまで日本でしか販売してこなかったeパワーを各国に投入。特に環境規制の厳しい欧州では、今後の四年でEVと合わせた販売台数を全体の五割まで高める計画だ。

 こうした動きの背景にあるのは「CAFE」と呼ばれる燃費規制だ。各国で導入しており、日本政府も二〇三〇年度までに新車の燃費を約三割改善する規制案をまとめた。

日産自動車の「ノートe−POWER(イーパワー)」

写真

 ■ネック

 この規制をクリアするには、二酸化炭素(CO2)を排出しないEVが売れれば手っ取り早い。だが、EVは世界初の量産車を三菱自動車が〇九年に発売してすでに十年がたつが、今なお高額で、充電設備などインフラが不十分なことがネック。調査会社「富士経済」によると、一七年のEVの世界販売シェアは0・8%にすぎない。

 これに対し、HVは環境性能は及ばないが一定の水準で価格も安い。メーカー各社は当面「HVをできるだけ多く売って規制をクリアする」(ホンダ関係者)ことに狙いを定めた。

 この流れを裏付けるように、トヨタは四月、虎の子のはずのHVなど電動車技術の特許約二万四千件を無償開放すると発表した。同社が強みを持つHV市場の拡大を目指す戦略。寺師(てらし)茂樹副社長は会見で「ここ数年、技術を使いたいという問い合わせが増えている」と明かした。

 ■段階的

 だが、規制はCAFEだけではない。EVなど「環境車」の生産・販売を一定割合でメーカーに義務付ける「ZEV」規制(米カリフォルニア州)「NEV」規制(中国)もある。この規制では、ガソリンを使うHVは基準外だ。そのため、メーカー各社はEVにも注力しなければならない。

 さらに、段階的に厳しくなるCAFE規制はいずれHV頼みで基準をクリアするのは難しくなる。世界一厳しい欧州のCAFEでは、一キロメートル走行当たりのCO2排出量の規制値が二一年には現在から約三割削減される。三〇年にはそこからさらに四割近くも減る。

 六月七日、トヨタの電動化戦略を説明する会見で、寺師氏は「(三〇年の規制値は)いま売っている車の半分をEVにしないといけないレベル」と達成の難しさを強調。「現実的にはHVで極力燃費の平均値を下げておいて、足りない分をEVなどで置き換えることになる」と今後の各社の戦略を推測した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報