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【経済】

自由貿易の多国間協力醸成 G20開催意義、冨田担当大使に聞く

G20サミット議長国としての役割などについて話す冨田浩司担当大使=東京・霞が関で

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 日本で初開催となる二十カ国・地域首脳会議(G20サミット)が二十八、二十九両日、大阪市で開かれる。担当大使として参加国との調整を進めてきた冨田浩司氏に、G20サミットの意義や議論の展望を聞いた。 (大杉はるか、篠ケ瀬祐司)

 −米中貿易摩擦が世界経済に与える影響が懸念されている。

 「貿易は今回、G20サミットの最も重要なテーマの一つだ。貿易の現状は、世界の経済成長にとって下方リスクになりつつある。首脳が大局的に対処し、自由貿易を堅持する強いメッセージを出すことが必要だ」

 −国際社会の現状は、各国が問題解決に向けて協力する「多国間主義」に逆行しているようにみえる。

 「G20サミットは、リーマン・ショック後の危機管理や、世界経済の成長を多国間協力で進めるために始まった。今は多国間貿易体制への信頼が弱まり、どの国も国益を優先している。多国間主義が機能しているのかとの問いに答えなければいけない。漢方薬のようにソフトな形で、首脳間の共通認識を醸成する手法の持つ意味が大きい」

 −国家間や、各国内の格差拡大も深刻だ。

 「格差の是正が必要だ。成長の果実を共有できる『包摂性』を重視した議論をしたい」

 −産油国が集まる中東の情勢が緊迫する中での開催となる。

 「G20は世界経済の持続的成長を目的にしている。エネルギー供給の安定は一つの課題だ。サウジアラビアなど産油国首脳の意見も踏まえ、現状評価などの議論が交わされる」

 −海洋プラスチックごみ問題も課題になる。

 「主要海洋国家の中国やインド、ロシアを巻き込んだ取り組みが必要だ。生産から回収まで全段階での対応も重要。日本は廃棄物管理や(環境配慮型の)素材技術などをリードしており、世界に貢献できる」

 −安倍晋三首相はデータガバナンスも重視する。

 「首相は『データは二十一世紀の石油だ』と話している。データを基礎としたデジタル経済が成長の源泉になる。健全な発展を促すにはデータそのものだけでなく、プライバシー保護などの信頼性も重要だ。各国の足並みはそろっていないが、具体的取り組みを後押しする議論を進めたい」

<とみた・こうじ> 東大卒。1981年外務省入省。北米局長、駐イスラエル大使を経て2018年8月から現職。G20サミットで安倍晋三首相の個人代表(シェルパ)として補佐役を務める。61歳。兵庫県出身。

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