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【経済】

郵政「年金では不安」 政府否定の一方で…投信PR

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 麻生太郎財務相兼金融担当相が「老後は夫婦で二千万円が必要」とする金融審議会の報告書について「著しい不安とか誤解を与える」として受け取りを拒否した一方で、民営化後も政府が六割強の株を持つ日本郵政グループは「年金といくらかの貯金による生活は不安」とする冊子を作成し、投資信託購入を勧めている。専門家からは「老後の生活費に関する政府の説明は不十分。年金を含む社会保障の課題と真剣に向きあうべきだ」との声が出ている。 (池井戸聡)

 日本郵政グループでは、ゆうちょ銀行が日本郵便に委託し投資信託を販売。全国約一万八千の郵便局に「人生百年時代への資産づくり」と題する十八ページのマンガの冊子を置く。

 冊子は、定年退職が近い男性と妻が年金受給の手続きで郵便局を訪れる設定で、郵便局員が老後資金の具体的計画を立てるよう進言。男性は「年金といくらかの貯金があれば何とか大丈夫でしょ」と笑うが、妻は「あなたって本当に楽観的ね」と怒り、郵便局員が「ご不安になられる気持ちもごもっとも」と同調。「夫婦でゆとりある生活に必要な費用は月三十四万九千円といわれる」と話して、投資信託の購入を勧める。

 この冊子は、投資信託の商品をゆうちょ銀行に供給する企業の一つ、日興アセットマネジメントが編集。同社とゆうちょ銀、郵便局が連名で作成した。日興の商品の宣伝用でなく「資産形成の必要性に気付いてもらうためにつくった資料」(ゆうちょ銀)という。

 麻生氏は金融審の報告書が「政府の政策スタンスと異なる」として受け取りを拒否した。だが多くの金融機関に加え、政府が大株主の日本郵政グループも「年金だけでは不安」との趣旨の説明をし、金融商品を販売しているのが実態だ。

 さらにゆうちょ銀では、投資信託の販売時に社内ルール違反があったことが判明。かんぽ生命でも不適切な金融商品の販売があり、高齢者の不安は高まっている。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「老後の生活設計は国民的課題。政府は真摯(しんし)に説明すべき」と話す。

郵便局に置かれている冊子の一コマ

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