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【経済】

「無保険」承知で勧誘か かんぽ乗り換え マニュアル記載

かんぽ生命保険の販売マニュアルの一部

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 かんぽ生命保険の不適切な販売問題で、既存の顧客に対し、健康状態の悪化などで再契約できずに無保険になる恐れのあることを認識しながら新しい保険への乗り換えを勧めていた疑いが強いことが二十八日、共同通信社の入手した販売マニュアルで分かった。無保険のリスクを明記しながらも、乗り換えを営業成績として認めており、問題の温床になったとみられる。

 マニュアルはかんぽ生命が販売委託先である全国の郵便局に配っていた。過疎地域では新規契約の獲得が難しいことを背景に、乗り換えで契約額を伸ばそうとする強引な営業が常態化していた可能性がある。

 関係者によると、大手生保が既存契約の解約を伴う乗り換えに応じるのは、払い込んだ保険料の一部が戻ってくる解約返戻金をもらいたいといった顧客の強い要望がある場合だけで、極めてまれという。応じる場合でも、無保険にならないように、乗り換え契約の申し込みが審査を通ってから既存契約を解除する。しかし、かんぽ生命は既存契約の解除後に乗り換え契約の申し込みを審査することが多かった。

 マニュアルは「既存契約を解約すると復活できない」「顧客の年齢が上がり、健康状態が変わることで、乗り換え契約自体が締結できず、無保険状態になる可能性がある」などと、不適切な保険募集にならないための注意事項を列記する中に「乗り換え契約の場合、販売実績の二分の一が(契約額の目標であるノルマに)計上される」と乗り換えを後押しするような記述を盛り込んでいた。

 具体的には、保険料が月一万円の契約に乗り換えた場合、五千円が営業成績になる。九州のある郵便局長は「上司にしかられるのが嫌なので、あの手この手で実績を上げている。乗り換え契約の営業成績への加算をやめない限り不適切な募集はなくならない」と話す。

 かんぽ生命は「顧客は契約に同意していて違法性はない」としている。

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