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【経済】

「私的年金活用を後押し」削除 「骨太方針」最終案 当初案には記載

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 政府が経済財政運営の指針「骨太方針」で、当初案にあった個人年金など「私的年金」の活用を後押しするとした表現を最終案では削除していたことが二十八日、分かった。

 有識者でつくる財務省の財政制度等審議会(財政審)がまとめた建議でも、原案に記載していた公的年金の先細りに関する言及が削られたことが既に判明。老後に夫婦で二千万円の蓄えが必要と試算した金融審議会の報告書が批判された問題が波及し、参院選を前に政府文書の修正が相次いでいる。

 内閣府が五月末に作成した非公表の骨太方針の当初案は「老後に備えた資産形成など人生の長期化への備えを支援する観点から、私的年金の活用促進について検討する」と明記した。だが、六月十一日の経済財政諮問会議に示した原案にその表現はなく、二十一日に閣議決定した最終案にも盛り込まれなかった。

 削除された部分は、財政審の建議から消えた「(老後に向けて)自助努力を促していく観点が重要である」という表現とほぼ同趣旨だった。建議からは「将来世代の年金給付水準が想定よりも低くなることが見込まれる」との表現も削られた。

 ただ、老後資金を巡っては、経済産業省も「老後に約二千九百万円が必要」とする独自試算を作成していたことが判明。金融庁も「老後に千五百万〜三千万円」と試算するなど、公的年金だけでは高齢期の生活が苦しくなることは政府内でも広く認識されていた。

 中央大の佐々木信夫名誉教授(行政学)は「政府に都合が悪い情報を隠すのは国民の不安をあおる結果にしかならない。老後への備えを考えるための大事な情報は公表すべきだ」と話している。

 金融審報告書を巡っては、三日の公表直後から野党が「政府の責任放棄」などと批判。麻生太郎金融担当相が七日の記者会見で表現が不適切だったと認め、その後報告書の受け取りを拒否した。

 

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