東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

G20 景気下振れ いら立つ各国 米刺激避ける議長国日本

G20大阪サミットで記念写真に納まる安倍首相(前列中央)、トランプ米大統領(同左から5人目)、中国の習近平国家主席(同右から4人目)、来年のG20サミット開催国・サウジアラビアのムハンマド皇太子(同左から6人目)ら各国首脳=28日午後、大阪市で(代表撮影)

写真

 G20大阪サミットで二十八日、貿易を巡って衝突する米中両国に対し、各国が公然と不満をぶつけた。議長の安倍晋三首相も「世界貿易を巡る状況には深く憂慮している」と歩み寄りを促したが、世界一、二位の経済規模を誇る両大国が矛を収める気配はない。既に発動されている制裁関税によって世界経済は下押し圧力にさらされており、各国からはリスクがくすぶり続けることへのいら立ちが高まっている。 (渥美龍太)

 「米中間の緊張の高まりに懸念が示されたのは事実だ」。日本政府関係者は、世界経済と貿易などをテーマにした二十八日の会合で、「多くの国」が両国を名指しして、貿易摩擦が激化していることへの不満を示したと明らかにした。

 こうした発言が相次いだ背景には、世界の国内総生産(GDP)の約四割を占める両国の対立が長引けば、どの国も無傷ではいられないという危機感がある。国際通貨基金(IMF)は、米国の制裁関税が第四弾まで発動されれば、世界全体の経済成長率は0・5%下がると見込む。米国に最終製品を輸出する中国の工場に対し、部品を供給している国は影響が避けられず、大和総研の試算によると、日本の場合は最大0・22%のGDP押し下げにつながるという。

 議長国を務める日本政府も腰が定まらない。本来なら反保護主義への明確なメッセージをとりまとめる立場が期待されているが、日本も二国間貿易交渉で米国からの強い圧力にさらされており、トランプ大統領を刺激したくない立場から強いリーダーシップを取れていない。各国が合意しやすい世界貿易機関(WTO)の紛争解決制度の強化策などを打ち出すのが精一杯の展開だ。

 大和総研の小林俊介氏は、ともに訪日している米国のトランプ大統領、中国の習近平国家主席による会談の行方を注視しつつも「追加の関税引き上げ議論がいったん見送られても、再燃する可能性はくすぶり続ける。日本企業も経営判断が難しい状況が続く」と指摘している。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報