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【経済】

登録申請、まだ10万店 10月増税に間に合わぬ恐れ ポイント還元対象は数百万店

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 十月に予定されている消費税率の引き上げに伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度を巡り、登録申請した中小事業者の店舗が、これまで十万店程度にとどまることが二十七日、分かった。対象となる店舗は全国に数百万あるとされ、中小事業者に制度がまだ浸透していない現状が浮かび上がった。

 七月中に制度の登録申請をしないと、十月一日の増税時に間に合わない恐れがある。政府は最終的には百万店以上の登録を見込んでいるが達成できるかどうかは不透明で、消費の腰折れを防ぐための経済対策としての効果が十分に出ない可能性が出てきた。

 経済産業省は七月中に初めて途中経過を発表する。受け付けは来年四月まで続ける予定で、同省は消費者向けなどの広報活動を強化し、登録店舗数を少しでも増やしたい考えだ。

 ポイント還元制度は増税による消費の冷え込みを防ぐ狙いで、十月から来年六月まで実施する。中小事業者が経営する店舗で、クレジットカードやQRコードなどを使ったキャッシュレス決済で支払った顧客に、ポイントで2〜5%分が戻る仕組みだ。ポイントの原資は国が負担する。

 登録にはクレジットカード会社など決済事業者を通じた手続きが必要で、一定の時間がかかる。制度推進側の関係者は、思ったより伸びていないと認めた上で「中小店舗の資本金や経営実態など各決済事業者による審査に時間がかかっている面もある」と釈明する。

 政府は事務局のホームページで、ポイント還元開始直前は申請が殺到し登録が間に合わない恐れがあるとして「申し込みは可能な限り七月中に」と呼び掛けている。

◆仕組み複雑 浸透不足

 消費税率10%への引き上げに備えた経済対策には、キャッシュレス決済時のポイント還元のほかに軽減税率や別のポイント制度もある。施策の乱立で複雑になった仕組みが浸透不足を招いた可能性があり、増税が二カ月先に迫る中で周知が最大の課題になっている。

 キャッシュレスのポイント還元率は原則として代金の5%分なのに対し、中小事業者でもコンビニや大手外食チェーンの加盟店の還元率は2%となる。大手系列店への過剰な優遇を避けるため差をつけたものの、分かりにくさが残っている。

 十月には飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率が始まる。このため中小店で税率10%の商品をキャッシュレス払いにすれば、5%還元を差し引いた実質の税負担は5%だが、税率8%の食品なら実質3%。2%還元のコンビニの買い物では負担も変わり、政府関係者も「多少の混乱はあるだろう」と認める。

 軽減税率制度そのものの浸透も道半ばだ。外食店内での食事は対象外になるなど線引きは入り組んでいる。また対応可能なレジ導入への補助金は、期限内に三十万件の利用を想定したのに対し、六月末時点の申請は四割弱にとどまり、店側の対応に不安が付きまとう。

 キャッシュレスへの還元策が終わった来年度には、マイナンバーカードにたまる「自治体ポイント」の拡充が予定されるが、制度設計はこれからだ。混乱の懸念が的中しないよう「より分かりやすい説明を尽くしたい」と財務省幹部は語った。

<ポイント還元制度> クレジットカードやQRコードなど現金を使わずに支払うと、代金の5%分を購入者にポイントで還元する仕組み。コンビニなどの還元率は2%。JCBやLINE(ライン)といった決済事業者が参加を決めている。5月中旬から決済事業者を通じ、中小店の登録を開始した。今後、ホームページ上などで登録者の公表を予定している。

 

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