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【経済】

中国の食卓も打撃 豚肉5割値上げ

8月30日、北京市中心部の食肉青果市場で、豚肉を買い求める女性(左)

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 米中の制裁関税合戦は、庶民の暮らしに影響を及ぼしている。米国が一日発動した対中関税第四弾の対象品目は、生活必需品を多く含む。中国ではこのところ家畜伝染病や天候不順などにより食品価格が高騰。加えて米中貿易摩擦の激化が、価格高騰に拍車をかけるいきおいだ。

 「今夜は水ギョーザなので豚のミンチ肉を買いにきたんだけど、こんなに高いんじゃ、少ししか買えないわね」。北京市中心部の食肉青果市場。買い物袋を提げた主婦が、店頭に並ぶ食肉をうらめしそうに眺めた。豚肉五百グラムが二三・五元(約三百六十円)。数カ月前と比べ、すでに価格が五割ほど値上がりしている。

 国家統計局が発表した七月の消費者物価指数は前年同期比で2・8%の上昇だが、食品価格は同9・1%も上昇した。なかでも中国の食卓に欠かせない豚肉価格は同27・0%の上昇だ。

 中国政府によると、豚肉価格上昇の主な原因は、家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」のまん延による国内生産量の減少だ。供給不足で米国などからの食肉輸入を増やしていたが、今後は関税引き上げが価格をさらに押し上げる。加えて、米国産大豆など飼料作物の関税引き上げも、食肉価格に跳ね返る。

 貿易戦争が庶民の生活を直撃するのは米国も同様だ。制裁関税「第四弾」の対象は、トランプ米政権が国民生活への影響の大きさからこれまで避けていた、生活必需品を多く含む。中でもスマートフォンやゲーム機などは中国からの輸入割合が高い。

 特に消費者に影響が大きい品目は、クリスマス商戦後の十二月十五日まで発動が延期。だがこのまま関税合戦が収束しなければ、米国の消費者への打撃は大きく、トランプ政権への支持率にも影響しかねない。

 北京の市場を訪れた別の女性は「米中どちらに責任があるのか詳しいことは知らないけど、しわ寄せを受けるのは、結局いつも庶民なのよ」とため息をついた。 (北京・坪井千隼、写真も)

 

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