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【経済】

マグロ漁獲枠300トン移譲 台湾から日本へ 増枠は合意できず

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 【ポートランド=共同】太平洋クロマグロの資源管理を話し合う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会が六日(日本時間七日)閉幕し、日本が求めた漁獲枠拡大は今回も見送られた。代わりに国・地域別の割り当てで台湾から枠を移譲してもらうという窮余の策で決着。日本は来年、再び漁獲枠拡大を提案する。ただ大西洋・地中海と比べて資源回復は鈍く、増枠に反対する米国との厳しい交渉が続きそうだ。

 閉幕後に記者会見した水産庁の太田慎吾資源管理部審議官は「資源の回復予測は良いと主張したが、米国とは認識が違った。枠を譲ってくれた台湾には感謝したい」と語った。

 会合は米西部オレゴン州ポートランドで三日に開幕。日本は三十キロ以上の大型魚で20%、三十キロ未満の小型魚で10%の増枠を求めたが、時期尚早と反対する米国と折り合うことができなかった。代わりに台湾から大型魚の枠三百トンの移譲を受けることで合意したが、実質的な増枠は約6%にとどまる。小型魚では枠の拡大はなく、特に沿岸漁業者の不満解消につながるかどうかは不透明だ。

 漁獲枠拡大が難しい一因には、早くから漁獲規制に取り組み成果を上げてきた大西洋クロマグロとの“格差”がある。一時は資源量がピークから半減したが、東大西洋・地中海を管理する国際会議が一九九九年に本格的な漁獲枠を導入。その後も小型魚を原則禁漁とするなど厳格化し、大型魚も含めて推定約六万トンの漁獲があったところを二〇一一年には一万二千九百トンまで枠を絞り込んだ。

 こうした措置により資源量は増加に転じ、一三年からは漁獲枠も段階的に拡大。二〇年には三万六千トンまで増枠できることになった。一方、太平洋でも資源は緩やかに回復してはいるが、漁獲枠の導入が一五年になるなど対応が後手に回ったこともあり、依然として歴史的な低水準から抜け出せていないのが実情だ。

 ただ来年の会合までには科学機関による資源量のデータも最新状況に更新される見通しで、日本は良好な結果が確認できれば増枠も視野に入ると期待する。水産庁幹部は「資源は順調に増えており、良い交渉材料になるはずだ」と語った。

 

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