東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 経済 > 紙面から > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【経済】

不当報酬「私物化」拭えず 西川社長辞任 再建、いばらの道

 自らの役員報酬を不当に上乗せしていた日産自動車の西川(さいかわ)広人社長兼最高経営責任者(CEO)が辞任に追い込まれた。前会長のカルロス・ゴーン被告による役員報酬の隠蔽(いんぺい)や会社資金の私的流用を追及する急先鋒(せんぽう)だったが、自身にも同じく「カネ」の問題が発覚し退場を余儀なくされた。企業統治の不全が改めて露呈した日産には、悪化している業績の立て直しなどの課題が山積だ。十月末までに決まる見通しの次期トップには、いばらの道が待ち受ける。 (生島章弘、皆川剛)

 九日の取締役会後、社外取締役の四人が横浜市の日産本社で記者会見。木村康取締役会議長は、西川氏に辞任を求めたことについて「会社だから当たり前のことを当たり前にやっていくということだ」と語った。

 西川氏の疑惑が明らかになったのは六月。ゴーン被告の側近で、ともに逮捕された元代表取締役のグレゴリー・ケリー被告が月刊誌のインタビューで告発、これをきっかけに日産も事実関係の確認に乗り出した。

 社内調査では、西川氏が不正に関与していなかったと認定した。しかし、ぬれ手で粟(あわ)をつかむように数千万円を受け取っていたことは、ゴーン被告が罪に問われている一連の行為と同じく、「企業の私物化」の印象を拭えないのも事実だ。

 日産を巡っては、西川氏の疑惑を受け、五日に予定していた社債二千五百億円の発行が延期された。経営トップの刷新を企業統治の強化につなげられなければ、市場からの厳しい視線は変わらない。ゴーン被告にとどまらず、西川氏まで「カネ」にまつわる問題を機に退場したことで、販売に影響が大きいブランドイメージのさらなる悪化は避けられない情勢だ。

 西川氏は九日の会見で「(再建の)道筋をつけられたのではないか」と胸を張った。だが、落としどころの見えない仏ルノー、三菱自動車との三社連合の見直しを含め、次期トップに引き継がれる「負の遺産」は少なくない。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報