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【経済】

目標達成のため規定形骸化 「郵便局ブランド」失墜

 高齢者に対する投資信託の不適切販売の原因について、ゆうちょ銀行は勧誘ルールについての現場職員の認識不足を挙げた。保険の不正販売を重ねてきたかんぽ生命保険と並び、日本郵政グループの収益を支える金融二社で相次ぎ顧客軽視の姿勢が露呈。「郵便局ブランド」の信頼はさらに失墜した。

 「(顧客への金融商品の理解度の確認など)社員は手間をかけたくないと安易に考えていた」。ゆうちょ銀行投資信託事業部の吉田浩一郎部長は会見で不祥事の要因をこう説明した。一方で、かんぽ生命の不祥事と区別するかのように「営業実績やノルマ(が原因)ではないと認識している」と強調した。

 しかし、ゆうちょ銀が投信販売を強化しているのは事実だ。今年三月末の顧客の投信残高は約二兆三千億円と前年に比べ四割増。二〇二七年度末には残高十兆円とする目標も掲げる。

 「投信販売の現場にはとんでもない額の目標が課せられて、目標達成のため社内規定は形骸化している」。東京都内で働く三十代の職員は、厳しいノルマが課せられていることを明かす。

 日本郵政グループの経営は、ゆうちょ銀とかんぽ生命の金融二社からの販売手数料収入が、低収益の郵便事業を補い支える。こうした収益構造の下、かんぽ生命に続き、ゆうちょ銀でも不祥事が発覚。業績至上主義に走るあまり、顧客を守るルールを軽視していたことに変わりない。

 金融二社を監督する金融庁は現在、かんぽ生命を立ち入り検査しており、年内にも処分を出す方針。ゆうちょ銀でも不祥事が起きたことで、日本郵政は経営体制の抜本的見直しを迫られる可能性がより高くなった。 (矢野修平)

 

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