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【経済】

<消費税8%から10%>輸出免税 不正還付の温床に 増税後に横行の恐れ

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 企業が商品を輸出すると仕入れ時に支払った消費税が戻ってくる輸出免税制度を巡っては、「輸出した」とうそをついて還付金をだまし取る不正が横行している。税率が8%に上がった直後の二〇一四事務年度(一四年七月〜一五年六月)は、不正件数が大幅に増えた。専門家は十月の増税後にも同じ手口が増えると警鐘を鳴らす。

 東京都港区の化粧品販売会社は一三年七月〜一六年九月、化粧品を仕入れて輸出したとする架空の取引をでっち上げ、三億円超の消費税の不正還付を受けた。経営していた女性は消費税法違反容疑で逮捕され、懲役四年六月、罰金六千万円の実刑判決を受けた。

 国税庁のまとめでは企業による不正還付は、〇八事務年度の千百六十五件から減少傾向だったが、一四事務年度は七百二十六件で前年度比24%の増となった。

 消費税率が上がると支払う税額が増え、輸出時の還付金も増える。国税庁出身で税理士の武田恒男氏は「増税後は不正還付で得られる利益が大きくなり、輸出免税制度を悪用する手口が増える」と推測する。

 早稲田大大学院の伏見俊行教授(租税法)は、消費税は幅広い世代に負担を求めていることから、「不正還付は庶民からお金を奪い取る悪質な犯罪で許されない」と語った。 (大島宏一郎)

<還付加算金> 税務署が消費税などの国税を納税者に払い戻す際に支払う「利息」に当たる。納税者には納税が遅れた場合に「延滞税」を加算しており、つり合いをとるため返金時にも利息を加える。利率は銀行の貸出金利を平均した値に1%を足した値が適用される。国税庁によると、納税者が還付を申告した翌日から税務署が還付を決めるまで1カ月程度かかり、利息は日割りで加算する。金額の統計は取っていないという。

 

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