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【経済】

豚コレラ ワクチン増産要請へ 農水省、接種拡大に備え

 農林水産省は二十日、豚コレラ対策として豚に接種するワクチンの増産を国内の製薬会社に要請する方針を固めた。現時点では約百万頭分の備蓄があるが、接種する地域が拡大したり、根絶までに時間がかかったりして不足する事態にも備え、万全を期して上積みする必要があると判断した。

 江藤拓農相は二十日の閣議後の記者会見で、同日午後に開く防疫対策本部の会合でワクチン接種の方針を正式決定すると表明した。実施に必要となる防疫指針の改定に着手することを打ち出す。農相は会合後に「改めて記者会見を開いて質問に答えたい」と述べた。感染拡大でこれまで十三万頭以上の豚が殺処分となったことには「責任を感じている」と語った。

 農水省はワクチン接種を豚コレラの発生県を中心に、有識者の議論も踏まえて限定的に実施する方向で検討している。これまで養豚場や畜産試験場の飼育豚への感染が判明したのは岐阜、愛知、三重、福井、埼玉、長野の六県で、飼育頭数は計約七十万頭(二月現在)だが、発生県以外でも接種を希望する声が出ているほか、全国一律に接種すべきだとの要望も強く、その場合、ワクチンが足りなくなる可能性があるためワクチン増産の要請方針も打ち出す見通しだ。

 豚コレラは豚やイノシシに感染する伝染病で、昨年九月に国内では二十六年ぶりに発生が確認された。農水省は豚にワクチンを使うと豚コレラを撲滅していると国際機関が認定する「清浄国」への復帰に時間がかかり、輸出に支障が出かねないなどとして、接種にはこれまで慎重な姿勢を続け、ウイルスを媒介する野生イノシシ対策に重点を置いてきた。しかし感染拡大が止まらないため対策本部会合を十七日から毎日開催し、ワクチン接種の是非などを議論していた。

 また二十日午後には富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、愛知、三重の関係八県の知事などが農相を訪れ、対策拡充を緊急要望する。

 

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